この世界の余剰次元(extra dimension)とは?
私たちが暮らす宇宙は時間方向1つ、空間次元3つの4次元時空でできている。
しかし、相互作用の統一理論の立場からは3を超える空間次元を考え、4つめ以降の空間次元は小さすぎるか、あるいは遮蔽されていることによって観測にはかからない、という高次元理論が多数考えられている。
その嚆矢はすでに1920年代にカルツァ(T. Kaluza)とクライン(O. Klein)によって与えられ、彼らは5次元時空において重力理論を考え、4番目の空間次元をコンパクト化して4次元時空の理論を構成すると、4次元重力と電磁場が現れる、という電磁力と重力の統一理論を考えた。
相互作用の統一理論は、超重力理論、超弦理論と進化してきたが、超弦理論は量子異常を持たず、無矛盾に構成できるためには時空が10次元であることを要求し、4次元時空の残りの6次元空間はカラビ-ヤウ多様体にコンパクト化していると考える。
このような、4次元時空を超える空間次元のことを一般に余剰次元と呼ぶ。
余剰次元の大きさが動的に変化すると、4次元宇宙に余計な場が発生したり、結合定数が変化したり、さまざまな影響が出てくることになる。
余剰次元は、標準理論を超える物理理論、例えば弦理論などで提案されている。
これらの理論では、宇宙はより高い次元で構成されていると仮定されている。
観測の難しさについて、余剰次元は、その小ささや他の理由で直接観測することが非常に困難だ。
しかし、重力の振る舞いや、高エネルギー物理学実験などを通して間接的に探求されている。
重力の謎について、余剰次元の概念は、なぜ重力が他の力に比べて非常に弱いのかという「重力の階層性問題」を解決する手がかりとして注目されている。
余剰次元に重力が閉じ込められている場合、私たちの観測する4次元空間では重力が弱く感じられる可能性があるとされている。
高次元時空について、余剰次元は、5次元以上の高次元時空を構成すると考えられている。
例えば、5次元時空では、重力と電磁気力を統一する理論が考えられている。
超弦理論では、10次元または11次元の時空が基本となり、そのうちの6次元または7次元がコンパクト化(非常に小さく丸まっている)されていると仮定される。
実験的な検証について、現在、余剰次元の存在を直接示す証拠は発見されていないが、実験や観測を通じてその痕跡を探る研究が精力的に行われている。
例えば、LHC (大型ハドロン衝突型加速器)での実験や、微小距離での重力の測定などが試みられている。
例、コンパクト化について、余剰次元が小さく丸まっている状態をコンパクト化と呼ぶ。
このコンパクト化された次元は、私たちの観測からは見えないが、物理的な影響を与えている可能性がある。
AdS/CFT対応と呼ばれる理論では、高次元時空の重力理論と低次元時空の量子場理論が対応しているとされている。
この対応関係を理解することで、余剰次元の理解が深まる可能性がある。


