2026年現在、国会で審議・可決が進んでいる「個人情報保護法改正案」では、データ利活用とプライバシー保護のバランスを巡るいくつかの重大な問題(論点)が指摘されています。 特に議論を呼んでいる主な問題点と変更のポイントは、以下の3点に集約されます。 1. 「統計作成等特例」による本人同意不要のデータ提供 改正案では、AI開発や統計作成の目的であれば、本人の同意を得ることなく、氏名や住所がついたままの病歴や犯罪歴などの機微情報(要配慮個人情報)を企業に提供できる特例が盛り込まれています。 問題点: 医療データ専門家などから「プライバシー侵害のリスクが非常に高い」「法律が『さらし法』に変貌しかねない」といった強い懸念や、法改正案を「最悪の案」と批判する声が上がっています。 2. 子供の個人情報(16歳未満)への上乗せ規制 今回の改正では、16歳未満の子供の個人情報・個人関連情報の取扱いについて、より厳格な規制が導入される方針です。 問題点: 法定代理人(保護者)の同意取得の基準が明確化される一方で、事業者が「16歳未満であることを知らなかった」とする正当な理由の線引きなど、実務上の運用負荷や解釈をめぐる問題が指摘されています。 3. 同意偏重からの脱却と実務の混乱 現時点で、今回の個人情報保護法改正案(特に「統計作成等特例」)そのものが「違憲(憲法違反)」であると国会で議決されたり、裁判所で判断されたりした事実はありません。 ただし、憲法学者の間や国会の審議において、「憲法上の権利を侵害する恐れがある(違憲の疑いがある)」としての激しい論争は起きています。主に以下の憲法上の論点が指摘されています。 1. 憲法13条「幸福追求権(プライバシー権)」との衝突 日本の最高裁判所は、憲法13条を根拠に「個人の私生活上の自由がみだりに侵害されない権利」や「自己の個人情報をコントロールする権利(プライバシー権)」を認めています。 懸念点: 本人の同意がないまま、氏名や住所が付いた状態の「病歴・犯罪歴(要配慮個人情報)」が企業間で提供可能になる仕組みは、憲法13条が保障するプライバシー権の不当な侵害にあたるのではないかと批判されています。 2. 憲法21条「表現の自由・報道の自由」との衝突 ...