『窮通宝鑑(きゅうつうほうかん)』は、中国の占術である四柱推命(八字)において、最も重要視される古典籍の一つです。
一言でいうと、「十干(日干)と生まれた季節(月支)の組み合わせから、運命のバランスを説いたテキスト」です。
主な特徴
調候(ちょうこう)用神の重視
「夏には水が必要」「冬には火が必要」といった、季節ごとの寒暖や乾燥・湿気のバランスを整えることを最優先に考えます。
自然界のイメージ
「春の甲木(大木)には、枝を整えるための庚金(斧)と、成長を促す丁火(太陽)が必要」といったように、干を自然の風景になぞらえて解説するのが特徴です。
実践的な適職・地位の判断:
「この組み合わせなら、貴い官職に就ける」「これがないと平凡な一生になる」といった、具体的な社会的地位(貴賤)の判断に強いとされています。
歴史的な位置づけ
元々は『欄江網(らんこうもう)』という名で伝わっていた無名氏の書を、清代の余春台が整理して現在の名になりました。
現代のプロの鑑定士の間でも、日干の強弱(身強・身弱)だけでは測れない「運勢の格」を判断するための必読書とされています。
窮通宝鑑は、唯物的思考といわれ、小宇宙である人間と大宇宙である宇宙全体から、分離するうらみがあります。
全体で一つの命と考えると物質的には個だけれど、本来は宇宙全体で一つの生命という霊的な運気から遠ざかります。
毎日の生活の中で、あなたの運気が花開きます。
窮通宝鑑
甲木 (春夏秋冬、例)
春月生まれ
甲木:寅月生まれ
季節
甲木の寅月は初春の季節ですから余寒が残存します。
調候
寅月はまず丙火の照暖(しょうだん)が必要です。
次に甲木が生きていくためには雨露の水気が必要です。
命式において丙火が天干にあって、癸水が地支にある作りを「寒木向陽」と言って上々の命式です。
寅月の甲木は水と火がバランス良くあること(水火既済の象)が重要です。
甲木は植物とみますので寅月に火と水が無い命式は良くありません。
火と水の使い方
丙火と癸水が並列して天干にあると、丙火の気を癸水が剋しますので丙火の気勢が損なわれます。
従って癸水は離れて有るか、地支にあって木の根を湿らすのが良いのです。
命中に壬癸水が多く有れば寒が増しますので嫌います。
金気を嫌う
甲木の寅月は十二運が建禄と言えども萌芽の季節ですから、金の庚、辛金を多く見れば、甲木は傷められて生気が衰弱して発奮が出来ず苦労の命となります。
再び大運で金気が旺ずれば貧命若しくは短命となります。つまり金気が多ければ丁火で以って制することを要します。
水の太過
命式において壬癸水が多く、丙火がなく、戊己土の制水がない命式は木が水にぷかぷかと浮いてしまう状態となって、転職を繰り返したり放浪する命式となります。
「印星太過」は財星が用神となります。
壬水が多いと甲木は浮いてしまいますが、これを「浮木」と呼びます。
癸水が多いと甲木は腐ってしまい(太陽の火がない)ますが、これを「腐木」と呼びます。
夏月で丙丁火が多いと甲木は枯れてしまいますが、これを「枯木」と呼びます。
甲木:卯月生まれ
月令を得て身旺
卯月の甲木は、木気が旺じてきますので月令が帝旺となり我が身が強くなります。
我が身が強くなれば庚金の偏官(甲木から庚金を見れば偏官)が必要になります。
卯月は陽刃格を作る
寅月と異なって卯月は深春で十二運は帝旺となります。
陽干が帝旺を見れば「陽刃格」となります。
従って甲木はバリバリの身強となりますので、庚金の伐採を嫌わないのです。
庚金は気が弱い
庚金は春の季節には休囚となって気が弱い。
従って、戊土(財星)でもって庚金を扶助する必要があります。
結論
卯月生まれの甲木は、甲木の強さと庚金の強さのバランスを良く見ることがポイントです。
甲木:辰月生まれ
季節
辰月は春が深まり木が老になります。
調候
辰月に限っては、命式に水火の偏りが無ければ調候を特に必要としません。
従って季節という観点から火が欲しいとか水が欲しいといった論じ方はしません。
官星の使い方
甲木に根があって勢いが強い時は、庚金でもって伐採し棟梁の材と成すのを甲木の目的とします。
即ち、甲木は庚金を以って貴として論じます。
辰月は庚金が弱い時期ですから、庚金を使う場合は丁火でもって制すれば庚金は力を失い用となりませんので丁火を嫌います。
火が旺ずる場合
次に丙火の太陽が盛んであれば木が乾いてしまいます。
従って、壬水を用いて庚金の気を水に洩らしてやれば金-水-木と流れて甲木は活気がでてくるのです。
夏月生まれ
甲木:巳月生まれ
季節
巳月の甲木は生気が退き丙火が旺じ身弱となりやすい。
従って先に癸水で木を育成し、後から丁火を使うと、気は水-木-火と流れます。
調候
夏月にあっては木が乾燥し枯れる可能性があるので、水気を何よりも先に使います。
水が欲しい命式で戊土が天干に有れば水を抑えますので、戊土が強いのを嫌います。
木火通明
もし甲木に根があって甲木の気勢が強い命式の場合は、そのまま丁火に流し「木火通明」として鑑定します。
木火通明は必ず秀才です。
官星を使う場合
巳月の土は焦土どなっているので金を生じることができません。
金を生じさせるのは乾ききった土を壬水で湿らす必要があります。
甲木:午、未月生まれ
季節
午、未月は木の性が弱っているため先に癸水を使い後で丁火を使います。
調候
夏至を過ぎて未月になると残暑は厳しいですが、朝夕は多少寒さがでてくるので癸水はなくても可とし、先に丁火を使うのです。
水と火の使い方
甲木は生物と見ますから命式において水がない場合は、大運に水がなければなりません。
すなわち巳、午、未月生まれは、大運が北方水地に入っていけば甲木は枯れることがなく活動ができます。
火が旺ずる南方火運に入っていけば、木は灰に化してしまい活発になれず、命が枯れてしまいます。
秋月生まれ
甲木:申、酉、戌月生まれ(秋)
季節
秋の甲木は金気が旺じて十二運は絶となります。木が老いて枝が枯れて葉が病む状態になります。
春夏の木は水分が多いので伐採しても早く腐りますが、秋に伐採すれば素晴らしい材となります。
官星の使い方
従って、身強の命で有れば庚金を用いて伐採して木材(棟材)となすのが良いのです。
秋は金が月令に旺ずる季節でもありますから、身強の命でしたら月令の偏官を用神として貴を得る命式となります。
但し、月令を用神として用いる命造は非常に少ない。
庚金を用いる場合は、丁火で庚金の斧を鍛錬する事が必要です。
木は丁と庚が透干する命を以って上格とします。
夏の木が火を見ると枯れます。
冬木が水を見ると根を傷めます。
春木が木を見ると悪戯に雑木林となります。
ひとり秋の木は金を見るのを喜びます。
即ち、甲木の性情である棟梁の材とすることが出来ます。
冬月生まれ
甲木:亥月生まれ
季節
亥月に於いては壬水が十二運の建禄となって旺じ、寒気が漸増(ぜんぞう)します。
従って「調候用神」の丙丁火を離すことが出来ません。
亥月の甲木は長生となり木々はつぼみがでる時期ですので水を嫌います。
もし水が旺じていれば戊土で制水することが必要です。
調候
亥月の甲木は庚金をもって甲木を伐採し、丁火にひくのが良く、丙火も調候として必要です。
比劫争財
甲乙木の比肩、敗財が天干に多く有れば、戊土の財を破りますので「比劫争財」と言って何時かは財を散じますので平常の人です。
庚金が弱い時
庚金に根がない場合は、甲木を伐採できず棟梁(棟梁)の材とならないのでやはり通常の人です。
甲木:子月生まれ
季節
子月は水が旺じ寒気が厳しい季節なので、甲木の生気は萎縮しています。
先に丁火を用いて寒気を除き、後に庚金と丙火を以って補佐用神とします。
子月は癸水が月令に在って強いので透干するのを忌みます。
即ち、用神で有る火金の病となるからです。若し透干すれば庚金の気を洩らして、丁火を制することになります。
もし水が旺じていれば戊土で制水することが必要です。
調候
従って甲木は庚金をもって甲木を伐採し、丁火にひくのが良く、丙火も調候として必要です。
しかし亥月と異なり庚金よりも先に丁火を用います。
比劫争財
甲乙木の比肩、敗財が天干に多く有れば、戊土の財を破りますので「比劫争財」と言って何時かは財を散じますので平常の人です。
水の太過
冬の水は奔放(ほんぽう)の性質が有りますので、水が太過すれば氾濫して甲木は流される命となります。即ち「水泛木浮」の命です
この場合は天干に戊土があって水を制すれば救われます。
水が多く「丁、庚」がまったくない命は、水が凍結して木が枯れますので丁火と庚金がが無いと下級労働者か良い仕事がありません。
丑月は丙丁火が有って、水の寒を除くことです。
甲木:丑月生まれ
季節
丑月は十二運が冠帯となるも、天は寒く地は凍結して木気の精は萎縮しています。
従って甲木は活動が乏しく発展の可能性がありません。
冬季は水が旺じていますので辛金、壬水は寒気を更に増しますので不要です。
もし水が旺じていれば戊土で制水することが必要です。
調候
先に庚金をもって甲木を伐採し、丁火にひくのが良く、丙火も調候として必要です。
勿論、丁火を用神とします。
この場合の伐採は、甲木の余分な枝を落とし春に備えるといった意味もあります。
比劫争財
甲乙木の比肩、敗財が天干に多く有れば、戊土の財を破りますので「比劫争財」と言って何時かは財を散じますので平常の人です。
水の太過
水が多く「丁、庚」がまったくない命は、水が凍結して木が枯れますので丁火と庚金がが無いと下級労働者か良い仕事がありません。
丑月は丙丁火が有って、水の寒を除くことです。
乙木、春月生まれ
乙木:寅月生まれ
季節
乙木が寅月に生れるは、初春の季節ですから寒気がまだ残っています。
調候
2月の寅月は寒気が残っているので、先に丙火の照暖(しょうだん)が必要です。
次に草花の乙木が生きていくためには雨露(うろ)の水気も必要です。
命式に於いて丙火が天干にあって、癸水が地支にある作りを「寒木向陽」と言って上々の命式です。
勿論、大運は東南の地へ向かうを喜びとします。
水と火の使い方
寅月の乙木は「水火既済」(完成美)の象が上々の命式です。
すなわち「水」と「火」がバランス良く備わっている事が重要です。
バランスが悪いと上格ではありません。
また丙火と癸水が並んで天干にあると、癸水が丙火の気を剋しますので、丙火の気勢が薄らぎます。
従って、癸水は地にあって木の根を湿らすのが良いのです。
春木は金を嫌います
寅月の乙木はまさに萌芽の季節です。
萌芽の時期に強い庚辛(金)での伐採があれば苦労が多く貧命か短命となりますので金気を嫌います。
特に乙木は金気の強いのを恐れますので、必ず丙丁(火)で金気を制する事です。
水の太過
命式に於いて壬癸(水)が多く、丙火が無く、戊己(土)の制水が無い命式は、草木が水にぷかぷかと浮いて漂流する状態となって、性情は怠慢で転職を繰り返したり放浪する命式となります。
即ち、「水泛木浮」の命となります。
身旺の場合
また月支以外の他柱に寅卯があるか甲乙があれば身旺の命式となります。
乙木は身強の場合でも「柔木」ですので庚辛(金)を用いるよりも、洩気である「丙丁火」にその秀気を洩らす作りが良好となります。
即ち、「木火通明」の象となり発展ができます。
乙木:卯月生まれ
季節
卯月は陽気がだんだんと増してくる時期ですから、寅月に比べれば寒気が和らぐ季節です。
調候
従って丙火と癸水がともに天干にあって、庚金を地支に蔵する命式は富貴を得る命式となります。
命造に癸水が多くあれば丙火を用い、丙火が多くあれば癸を用いるのです。
つまり甲乙木の初春生まれは、水火のバランス「水火既済」もって良しとするのです。
強い金を嫌う
卯月の乙木に於いては青葉が成長している季節です。
従って、強い庚辛(金)でもって制剋することは喜びとしないのです。
身強で有れば丙火で以って強い金を制し、身弱であれば癸水でもって庚辛金の気を、金=>水と洩らす「殺印化格」とするのが良いのです。
乙木:辰月生まれ
季節
辰月は陽気が増々盛んになり暑くなる季節ですから、先に癸水を用いて後に丙火を用います。
また辰月は土が旺ずる季節ですので、土が天干に透干して癸水を制するを嫌います。
強い金を嫌う
乙木は柔らかい草木ですから基本的には庚辛(金)を用いることはできません。
陽が盛んであれば癸水(雨の水)で育成するのが良く、木気が盛んであれば丙火にその気を洩らすし「木火通明」とするのが良好です。
丁火に洩らしても良いのですが、丁は丙火に比べれは「格」が落ちます。丁火は人工の火ですので、ぱっと燃え尽きてしまいます。
甲木と乙木
この様に甲木(大木)は庚金を求め、乙木(草花)は丙火と癸水を求めますのでその性情が異なります。
この違いは良く覚えておかなければなりません。
財と官
命中の天干に土と金があれば、木から土を見れば「財星」で、木から金を見れば「官星」です。
従って財官があって一時的には栄えて良いように見えますが、乙木はその性質が柔らかい陰木ですから、やたらに「財、官」を求めて行けば身体を傷め長寿を得難くなりますので喜びとしないのです。
夏月生まれ
乙木:巳月生まれ
季節と調候
夏月の巳、午月は火炎が旺じ乙木が乾燥して枯れる状態ですので、先に調候の水気(癸水)を必要とするのです。癸水が無ければ壬水でも可です。
しかし、巳月は水が絶地となり弱いので必ず庚辛(金)で以って水を生助する必要があります。
天干に1コだけ癸水があっても火炎が強いので役に立ちません。(無いよりは良い)
必ず癸水に根があるか金の水源が必要です。
巳月の乙木は水が用神となり、水を制する土は忌神となります。
太陽(丙火)
また乙木は1年中太陽の丙を必要とします。
例えば、西瓜に夏の太陽(丙火)が無ければ甘みが無く、おいしくない西瓜となります。
従って乙木の場合は丙火と癸水の両方が必要です。
丙火を用いる場合は、大運が必ず「北方水地」へ向かう事が条件となります。
甲木はそうではありません。
木火通明
命式中に丙火が天干にあって、乙木がその秀気を火に洩らす内容を「木火通明」と言って必ず秀才です。(木は燃えて明らかになります)
さらに調候の癸水があると木は枯れずに生気があり必ず発展します。
乙木:午月生まれ
季節と調候
夏月の巳、午月は水が弱く火炎が旺じて、乙木の枝葉は乾燥して枯れる状態ですので、先に調候の水気(癸水)を必要とするのです。癸水が無ければ壬水でも可です。
しかし、午月は水が干ばつとなり水が渇くので、必ず庚金の生助が必要です。
天干に1コだけ癸水があっても水が弱い候で在るので地支に根を得るか、金の発水源が必要です。
太陽
また乙木は1年中太陽の丙を必要としますが、壬癸水が命造や大運に無ければ根株が乾き枯れる事になるので、必ず水の滋潤を離すことが出来ません。
従って夏月は必ず、先に「用神」の癸水を求めます。
木火通明
命式中に丙火が天干にあって、乙木がその秀気を火に洩らす内容を「木火通明」と言って必ず秀才です。(木は燃えて明らかになります)
さらに調候の癸水があると木は枯れずに生気があり必ず発展します。
火の太過
火が多すぎると我が身の気を洩らすだけではなく、焚木(ふんぼく)なり災禍が多く長命は得難いでしょう。
性情は偏枯で賤しく貧しいか、暇なお坊さんの如くであります。又身体に残疾のある人が多いようです
乙木:未月生まれ
季節と調候
未月は火炎と乾いた土がが旺ずる季節で「火炎土燥」となり、病は燥土にあります。
乙木に水が無ければ乾燥して枯れる状態とにりますので、先に調候の水気を必要とします。
未月の前半は午月と同論で、後半は丁火が退気となり、水気が進むので朝夕は多涼しくなってくる季節です。
故に、水、水と必ずも言わなくてすみますが、夏月ですので水は必要です。
又命中に水気と金気がが多ければ夏でも丙火の調候が必要です。
乙木が三夏に於いて生れるは、命造に癸水を欠かして論ずることは出来ないのであります。故に癸水が無い命造は凡人として看ます。
病薬法
命中に戊己土があって癸水を制剋すれば、調候の役目を失うことになります。若し甲木が透干して忌神の土を制土するならば、病があるも薬を得ることになり命造は清くなります。
秋月生まれ
乙木:申月生まれ
季節と調候
乙木が秋に生れるは金気が旺じる季節です。庚金の正官は大事な欲しでありますが強すぎれば受傷して病となります。
庚辛金が地支に多く在れば「埋根の鉄」と言って乙木の根が伸びないので嫌います。
故に、丙火を先に用いて庚金を制し、後から癸水を用います。
即ち、身強で有れば丙火を用いて旺殺(偏官)である金気(金は木を剋す)を制するのを良しとするのです。
身弱の命
癸水を用いて強い殺を水に洩らす「殺印化格」とするのが良いのです。即ち、水の印星を通関神とする訳です。
壬水を泥土にする
申月は庚金も強いが壬水が旺ずるので、己土で以って壬水に混入すれば泥土と化して乙木の根を培養する事になります。
乙木:酉月生まれ
季節と調候
秋の乙木は金気が旺じるので、金から剋される象で衰弱しています。
申金は水を蔵していますので「絶処逢生」となりますが、酉金は金だけで純金であります。従って、秋分の前は強い金を印星に流して「殺印化格」とします。
秋分後は寒気が増してきますので水と火のバランスが重要です。即ち「水火既済」を以って用とするのです。
癸水を用いて乙木の根を湿らすと共に丙の太陽があると、水と火のバランスが良く必ず自然と発展する命式となります。
我が身が弱い場合
乙木は金の剋傷を受けて衰弱していますので、癸水で以って我が身を生扶すれば生気を得ます。そして丙丁火が透干する事により発展が可能となります。
埋根の鉄
命式の地支が金局をなしている場合は、乙木は鉄が埋まっている土の上には育成できません。即ち身弱となり剋が多く発展が出来ない命となります。
これを「埋根の鉄」と言い大いに嫌います。 この場合は丁火が有って之を制することであります。
乙木:戌月生まれ
季節と調候
戌月の乙木は秋が深まり凋落(ちょうらく)候で、枝が枯れて葉が落ちる季節です。
燥土が旺じる
未土と戌土は火を含んだ土です。
月令に戌土(燥土)が旺じるので必ず癸水の滋潤が必要です。
乙木に癸水が無ければ生気がなく発展が出来ません。
命中に於いて戊己土が多くあれば身弱財太過(富屋の貧人)となり発展が出来ません。
この場合は甲木を以って用神とします。即ち財太過は比劫争財が用神です。
我が身が強い場合
乙木に根があって強く、甲木を命中に見る場合は陽干と同論で財星(土)、官星(金)が使えます。
我が身が強く健全である場合は、財星と官星を使うのが常道です。
水や金の太過
四柱において壬水や庚辛金が多くあれば寒が進み「金寒水冷」となり健康を害しやすくなります。
冬月生まれ
乙木:亥月生まれ
季節と調候
亥月は小陽の春と言えども、月令において壬水が旺じて寒気があるので、丙火を先に取用して寒木向陽の命となします。
もし命中に壬水が多くあると乙木は浮いて漂流しますので戊土を用いて水気を制することが必要です。壬水が病であれば戊土は薬の役目となります。
命式において丙火と戊土が天干にあると、富貴顕達を得ることができます。
命中に丙火があって壬水が透干していなければ、戊土が無くても可で有ります。
水の太過
命式に水が多くあるにも関わらず戊土の薬がなければ、乙木は浮いて漂流するので放蕩の徒となります。
即ち、印星太過は財星が用神となります。
戊土の太過
戊土が多くあれば(乙木から戊を見れば財星)印星を破るので良くありません。
この場合は甲木をもって戊土を制する必要があります。この事を「藤蘿繋甲」といいます。
藤羅繋甲
乙木は草木やつる草なのでそれ自身では天に向かって伸びて行く事は出来ません。
甲木という大木に巻き付いて上へ伸びていく事を「藤羅繋甲」と言と言います。
即ち、簡単に言えば乙木が甲木を見る事です。
乙木:子月生まれ
季節と調候
子月の乙木は天は寒く地は凍するため丙火の照暖(照暖)を最も必要とします。
即ち丙火の太陽で寒凍を解きます。
次に壬、癸水が地支に在るは良いも、天干に透干すれば寒が増し水が奔流となりますので戊土をもってこれを制します。
冬月の乙木は壬、癸水が天干にあるは雪が降る如くでことを最も忌むのです。
丙火が欲しいのに壬癸水が透干すれば丙火の用神を傷めます。
丙火の太陽
冬月生れの乙木に丙火がなければ生彩がありません。
大運が東南の地に入れば救われます。
人間で言えば寒冷地でコートを着て働くが如く、元気がなく苦労が多い命となります。
命中に丙火が無く、丁火がある場合は甲木で丁火を生ずるか地支に通根することです。
丁火の燃料として
甲木はよく丁火を生ずる事が出来るのですが、乙木は丁火を生ずると言えども、其の力は甲木と比べれば微力であります。
従って丁火が甲木の生を得れば久しく、発達の可能性があります。
乙木では枯れ草に引灯と言って良く火を引くには引きますが、その勢いを持続することが難しいのです。
乙木:丑月生まれ
季節と調候
丑月は厳寒期の季節ですから丙火を欠いて論ずることができません。
1月の寒冷の候に太陽があれば寒谷回春(寒い谷間に春が来る)と言って活力が湧いて発展も可能となります。
ただし癸水が天干にあって丙火を剋すると破格となって貧命となります。
四柱八字に丙火がなければ寒木が凍結して一生清貧の生活です。
乙木に根がなく身弱であっても丙火を見ると強くなるのです。冬の木は洩気をもって生と為すのであります。
丙火が有れば貧寒は免れます。
丙火、春月生まれ
丙火:寅月生まれ
季節、調候
丙は太陽の火と称し気勢は純陽にして陽威の徳を具えています。
寅月は木気が旺ずる時期であり、丙火から見ても長生の候であります。
木は木生火と火を生じるとともに丙火の勢いが旺に向かう時期です。
身強の丙火が壬水を見れば「既済の功」があります。
運気は壬水が旺ずる逆行の冬から秋へと向かえば弱い壬水が旺じてきます。
財官の用法
丙火が身強であるならば、壬水(偏官)が透干するを貴とします。
木気と丙火が盛んであれば必ず壬水を使って光輝を映す必要があります、即ち大河の上にて輝かせるのです。
寅月は甲木が旺じる季節で、壬水は病地となって弱いので庚金(偏財)をもって水源となし壬水を生扶することです。
命式に壬庚が並び見ると「水火既済」の功といって、水と火がバランス良くある状態を意味します。
命式に於いて寅と申が七冲せずに配合が良ければ発展が可能となります。
丙火は土を嫌う
丙火は壬水を用神とする場合は戊己(土)を嫌います。
命中に土が多いか、又は天干に透干していれば、丙火の光を土が吸収して晦光(ばいこう)します。即ち、光がくらまされます。
又、土(食神)は用神(喜神)である壬水を制し流れを塞ぎます。
即ち、土が多ければ丙火は輝きを失うのです。
土が弱くて離れていれば制剋する必要は有りません。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
命式で土を用神とする「食神生財の命」は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
丙火:卯月生まれ
季節、調候
卯月は陽気がだんだんと増してくるので、木が乾く季節です。
従って四柱の配合に壬水を最も必要とします。
運気は水が旺ずる逆行の冬から秋へと向かえば弱い壬水が旺じてきます。
命中に水が強ければ春から夏へと向かへば命造の調和がとれます。
財官の用法
寅月よりも気勢は弱いが、陽気が増していますので壬水の官星を用神として用います。
壬水は卯月に於いては十二運が死となり気勢が弱いので、壬水を用いる場合は庚辛金の生助を「補佐用神」として用います。
即ち、壬水が天干にあって丁火が無く(丁火は壬水と干合するため)、庚辛金があって壬水を生扶するか、壬水に根があれば必ず富貴を得ます。
丙火は土を嫌う
命式の天干に戊土があれば土剋水と用神である壬水の貴を得る破ってしまいます。
その時は甲木(印星)をもって戊土を制することが必要である。
土が弱ければ制する必要は有りません。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
丙火:辰月生まれ
季節
辰月は晩春で丙火の火勢はさらに進み旺じる季節ですから命造が乾きます。
特に4月20日以降は土用となって土が旺じる時期となります。
運気は水が旺ずる逆行の冬から秋へと向かえば弱い壬水が旺じてきます。
命中に水が強ければ春から夏へと向かへば命造の調和がとれます。
財官の用法
辰月は月令に土が旺じていますので、壬水の官星を用いる場合は、必ず甲木が透干して丙火を生扶しつつ戊土を制する必要があります。即ち、先に甲木を用いるのです。
壬水(偏官)は辰月に於いては水墓となって気勢が弱いので、庚金の財星で以って生扶を必要とします。
辰月は土が旺じる
辰月は土用月は土が旺ずるので、土を制す甲木の扶助を必要とします。
甲木があれば戊己土を制して壬水を護り我が身を生扶します。
土が弱ければ制する必要は有りません。
命式に甲木があって天干に庚金があれば甲木が伐採されてしまうので庚金を嫌います。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
夏月生まれ
丙火:巳月生まれ
季節、調候
丙火は太陽の火ですから丁火と違って水の剋は恐れません。
巳月の丙火は加勢が強く十二運は建禄になります。
運気は水が旺ずる秋から冬へと向かえば弱い壬水が旺じて調和がとれます。
むしろ水と火はバランスよくあるのを吉とします。
財官の用法
丙火が身強で壬水が無ければ、孤陽に扶けを得ないと言って輝きが無いのであります。
従って壬、庚が天干にあって申に座するを最も最高の命とするのです。
壬水は巳月において絶地となるため、地支に根があるか庚金の水源がなければ水が枯れ気勢がありません。
但し、戊土が天干にあって壬水を傷めたら破格となります。
また丁火の敗財は壬水と干合しますので離れてあることです。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
丙火:午月生まれ
季節と調候
午月の丙火は月令が帝王になり火気は最も強く灼熱の季節です。
午月は火が炎上して季節ですので、運気としては北方水地へ入れば調和がとれます。
財官の用法
丙火の午月は帝旺となり身強ですので、専ら壬水(官星)を以って用神(喜神)とします。
壬庚が天干にあって根があれば最高の配合であり、富貴を得ることができます。
壬水があっても庚金(財星)の水源がなければ水が枯れてしまい孤官となります。
また壬があっても戊(食神)で水を制している場合は無用の命となります。
戊土があれば甲木を求めます。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
丙火:未月生まれ
季節
7月23日より以前は、午月と同じで看法で火気は最も強く灼熱の季節です。
7月23日以降は己土が旺じ丙火の気が洩れるので丙火は旺じません。
調候
未月は土(燥土)が旺ずるも、季節まだ夏ですので水を以って炎上する火を抑えます。
財官の用法
壬、庚が天干にあれば最高の配合であり富貴を得ることができます。
もし壬水があっても庚金の水源がなければ水が枯れてしまいます。
また壬があっても戊で水を制している場合は無用の命となります。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
秋月生まれ
丙火:申月生まれ
季節、調候
丙火は申月に至ると病地になります。
丙火の太陽は夏を過ぎれば西に傾き、太陽の丙火の気勢は弱くなってきます。
申宮には庚金と壬水があって寒があります。
運気は逆行の夏から春へと向かうを喜びとします。
財官の用法
申月には庚金(財星)が建禄となっており、壬水は長生となり財官が旺じてます。
庚金が天干に透干して強ければ「富屋の貧人」になり易いまで印比を求めます。
丙火に根があって我が身が強いか、命式に印星、比劫があれば財星に立ち向かうことが出来ます。
命造が身強となれば丙火は光輝を湖、海に照らして光を映し輝かすことができます。
土の食傷
壬水が旺じて強ければ丙火は身弱となり、洩気することが出来ないので土の食神、傷官を用いることができないのです。
この場合は甲木を水に化する通関法を用いて水-木-火と、その気を流して丙火を生ずることです。即ち「殺印化格」と為すのであります。
丙火:酉月生まれ
季節、調候
酉月は晩秋で丙火の陽光は黄昏に近くなり余光があるといっても湖、海にわずかに存在するだけです。
運気は丙火の旺ずる南離へ向かう事を要します。
財官の用法
壬水をもって太陽の光を光輝させることが必要です。
しかし我が身の丙火に根があるか、印星の生扶がなければ壬水は使えません。
我が身が強い場合は、我が身を剋す壬水(官星)を使うことが良く、必ず富貴を得ることができます。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
丙火:戌月生まれ
季節と調候
丙火は戌月に至ると十二運が墓となり、その気勢は戌宮の蔵干にある丁火に頼るだけです。
戌は秋の土用で燥土が旺じています。
戌月は洩気となり、特に丙火の光輝を晦光(ばいこう)しますので土を最も嫌うのです。
運気は秋から夏への逆行をとれば丙火は旺じて生気が生じるのです。
財官の用法
丙火の戌月は身弱で燥土が旺じています。
故に甲木を先に使い、甲木でもって木剋土と土を制することが必要です。
戌月は丙火の光が、特に土に吸収されて晦光となります。
丙と戊があると命造は「火炎土燥」となり甲木が育ちません。
この場合は必ず壬水をもって土を湿らしてやることが必要です。
丙火の戌月生まれで甲、壬が天干にある命式は富貴が大変良い。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
冬月生まれ
丙火:亥月生まれ
季節、調候
丙火は亥月に於いて十二運が絶地となり、身弱の極ですから気勢が極めて衰弱しています。
亥の蔵干に甲木が有りますが、冬季で水が旺じていますすので湿木で燃えません。
従って新たに甲木を用いて丙火を生扶することが重要です。
運気が東南の地へ向かえば木気と丙火は自然と旺じて生気が生じるのです。
財官の用法
丙火は壬水を見るをもって貴(位)とします。
戊土が透干して壬水を制すれば太陽の光を映し輝かすことはできません。
もし水気が旺ずれば甲木をもって水気を洩らし「殺印化格」となすのです。
亥月は身弱であるから、先ず甲木を用いることにより丙火を生じさせ、戊土があれば之を制する一石二鳥の役割をいたします。
丙火:子月生まれ
季節と調候
丙火は冬至前(12/22)においては亥月と同じ解釈とします。
子月の丙火は一陽を得ても絶と変わらず気勢は微弱で休囚の極となっています。
従って甲木を用いて丙火を生扶すれば生気が蘇ってきます。
運気が東南の地へ向かえば木気と丙火は自然と旺じて生気が生じるのです。
財官の用法
丙火は壬水を見るをもって貴(位)とします。
子月は水が旺じる季節で、水が強すぎれば我が身を傷めます。
先に甲木で我が身を生扶して身強となれば、戊土で以って強い壬水を抑えればバランスが取れて命造は良くなります。
但し、戊土で壬水を抑え過ぎたならば、丙火は輝きを失います。
我が身の日主が旺じてこそ、食傷や官殺(正官、偏官)を用いることができるのです。
丙火:丑月生まれ
季節、調候
丑月の丙火は陽気がさらに進む時期ですから、丁火と違って水の剋は恐れません。
ただ丑土に洩気して晦光(光をくらます)する、壬癸水を多く見ることを恐れます。
運気の流れは春から夏へと向かう事が必要です。
財官の用法
丑月に壬水を見ると雪が降った後に太陽が光輝をなすものです。
壬が天干になければ貴(位)を得ることはできません。
壬水の官星を用いる場合は我が身とのバランスが求められます。
我が身は身弱で寒土が旺ずる季節ですので、甲木があって旺ずる土を制して我が身を生扶するを必要とします。
丑月は身弱であるので、甲木の生助があるか、地支に通根しなければ不能の命です。
土の食傷を求める命
命中に壬水が無く、戊土の食神を用神(喜神)として用いる場合はこの論は用いません。
戊土を用いる食神生財の命は次格となります。
金銭は貯まりますが人気や輝きには薄い人です。
丁火 、春月生まれ
丁火:寅月生まれ
気候、調候
寅月の丁火は月令が甲木なので印綬となります。
即ち、我を生じる母の星が旺じる季節ですので、丁火は木の生を得て自然と旺じていきます。
春は木が盛んとなっていますので、木を多く見れば反ってくすぶり燃えません。
運気は春から夏(東南の地)へ向かうと命造の寒暖の調和がとれます。
財と官と印の用法
丁火は人工の火ですから燃料である薪(甲木を伐採したもの)を必要としますので、天干に甲木が透干するを喜びとします。
丁火は「庚金と甲木」がなければその火を燃やしつづけることは不可能です。
即ち、庚金の斧を用いて甲木(甲木に根がある)を伐採して丁火にひく必要があります。
但し、庚金と甲木を並び見るという意味ではありません。
命中に甲木が透干して大運で庚金が来れば発展します。
丁火は陰柔の火であるから天干に比肩(丁)を見るか、甲木を見れば身が旺じますので発展が可能となります。
丁火からみて庚金と壬水は財星、官星になりますので財官が用をなすことになります。
乙木
乙木は陰木ですので、枯れ草に引灯と言ってぱっと燃えて燃え尽きてしまうので旺気が身に及ぼしません。
乙木は草木ですので、乙木がいくら集まっても甲木のように丁の燃料にはなりません。
乙木は丁火に対しての役割は微力です。
丁火:卯月生まれ
季節、調候
卯月の丁火は月令が乙木なので偏印となります。
春の乙木(草木)は青くて水分が多いので火にひいても燃えません。
つまり湿った青草は丁火を傷めます。
運気は我が身が旺ずる春から夏の東南の地を求めます。
財と官と印の用法
丁火は陰柔の火であるから天干に比肩(丁)を見るか、甲木を見れば身が旺じますので発展が可能となります。
命式の天干に庚金があるか甲木があれば大変良好で発展します。
天干に庚金があって乙木を去り、柱中に甲木があることを喜びとします。
甲木があっても大運にて庚金がこなければ常人となります。
乙木
もし命式に甲木がなく乙木がある場合は、苦労が多い命式となります。
乙木は草木ですので、乙木がいくら集まっても甲木のように丁の燃料にはなりません。
丁火:辰月生まれ
季節、調候
辰月の丁火は4月20日より以前は卯月と同様です。
辰月は湿った戊土が月令に旺ずる季節ですから、丁火の気勢は土に洩らしてしまいます。
辰は水に変化しやすいので子、丑、亥、申を見れば水が旺じて身弱となります。
運気は我が身が旺ずる夏の南離の地へ向かうことで調候を得ます。
財と官と印の用法
土が旺じていますので、先に甲木を取用します。
次に庚金を用いて甲木を伐採し丁火の燃料とするのが良いのです。
丁火は陰柔の火であるから天干に比肩(丁)を見るか、甲木を見れば身が旺じますので発展が可能となります。
命式に庚金と甲木が両方天干にあると大変良好で発展します。
甲木があっても庚金がなければ常人となります。
庚金を天干に二位見る場合は、日干の丁火が通根して大運が旺に向かわなければ発展が出来ません。
乙木
もし命式に甲木がなく乙木がある場合は、苦労が多い命式となります。
乙木は草木ですので、乙木がいくら集まっても甲木のように丁の燃料にはなりません。
傷官生財格
傷官を用いる場合は身強が前提となります。
月令は丁火から戊土を見れば傷官となり、丁から庚を見れば正財となります。
これを「傷官生財格」といって大変良い命式になります。
特殊技能を生かして財を為します。
すなわち傷官は文字通り官を傷つける作用の強い星です。
そのエネルギーは財星へ流してやることで凶の作用が弱まり、一芸に秀でて財をなすという命式(傷官生財格)になります。
夏月生まれ
丁火:巳月生まれ
季節、調候
巳月は丙火が旺じて建禄になると言えども、丙火は丁火の光を奪うのでさほど強くはありません。
また巳月においては火が炎上するので、必ず調候としての壬水が必要です。壬水がなければ癸水でも用いることができます。
財と官と印の用法
丁火は巳月と言えども人工の火ですから甲木を必要とします。
従って庚金でもって甲木を伐採し丁火を引くことが重要です。
巳月であっても陰柔の丁火は、天干に壬水を二位見れば丁火は気勢を失い発展が出来ません。この場合は甲木を以って通関神とします。
木火通命
丁火に根がなく身弱な場合は必ず甲木を用いて、庚金の斧で伐採し丁火に引くことが重要です。
甲木が燃えて火を引くことを「木火通命」といって必ず聡明です。
即ち、甲木と丁火と庚金は離れられない「三友」なのです。
丁火は陰柔の火であるから天干に比肩(丁)を見るか、甲木を見れば身が旺じますので発展が可能となります。
丁火:午月生まれ
季節、調候
丁火はその本性が人工の火ですから、甲木の燃料を離すことが出来ないと言えども、午月だけは丁火が月令に旺じていますので甲木は不要となります。
午月においては月令が建禄となって火が旺ずる季節ですからまず先に壬水の調候が必要です。
財と官と印の用法
巳月は「丙火」が旺じますが、午月は月令が建禄となり「丁火」が旺じてます。
命造は甲木を得ずも身強となり壬水(正官)を用いることが出来ます。
壬水は午月に於いて絶となり衰渇の水となっていますので水源である庚辛金の扶助を必要とします。
天干に壬水と庚金が透干して、地支に七冲が無ければ発展が出来ます。
故に午月の丁火は財官が用神(喜神)となります。
丁火:未月生まれ
季節、調候
未月生まれの丁火は気が退く季節であり、また未の己土にその気を洩らしてしまいます。
7/23以後は残暑が厳しいとはいえども「三伏生寒」となり朝夕に涼しさが出てきます。
従って未月は午月と異なって甲木の生助がなければ人工の丁火を燃やし続けることが不可能となってしまいます。
運気の流れは比肩(丁)が有って地支に午を見て通根していれば、秋から冬の水が旺ずる順行が良く、それ以外は逆行するのが良いのです。
財と官と印の用法
未月は身弱となりますので甲木に頼らなければ久しくありません。
未土は火を含んでいますから「燥土」となっています。
土が燥土では甲木は育ちませんので地支に水が必要です。
甲木が元気であれば庚金の斧を以って伐採し丁火に引くのです。
壬水が天干にあると甲木が湿ってしまい大貴をなすことはできません。
平常の人物となります。
癸水が天干にあれば一時は発展を見ますが久しくはありません。
地支に水がある分には甲木は湿ることはありませんので名声を上げる人物となります。
秋月生まれ
丁火:申、酉、戌月生まれ
季節、調候
丁火は秋の申、酉、戌月には病、死、墓の地になるから気は退き気勢は弱くなります。
従って甲木の生助を得なければ財星、官星を我のものとして取用する事ができず重荷となります。
滴天髄(てきてんずい)に言う。
「丁火に甲木があるは秋に可とし、冬に可とするのです。」
丁火は午月を除いて甲木を離して論ずることができません。
また気候も暫時、寒くなっていきますから丙の調候も必要です。
財と官と印の用法
丁火は陰柔の火であるから天干に比肩(丁)を見るか、甲木を見れば身が旺じますので発展が可能となります。
秋においては丁火の気が衰退してますので、甲木は丁火の燃料として必要なものですが、甲木が無ければ比肩(丁火)を用います。
申月は庚金が水の長生となり旺ずるので、壬水が天干にあると水が旺じて日干の丁火を傷めます。
天干に壬水がなければ丁火を損傷することはありません。
申、酉月は月令に金の財星があり天干に透干すれば金銭が豊かになります。但し身弱の場合は何時かは災いに変わります。
従って秋の丁火生まれは、甲木と庚金と丙火が天干に並ぶ命式が上命です。
冬月生まれ
丁火:亥、子、丑月生まれ
季節、調候
丁火が冬月に生まれるは寒気が厳しく生気は絶して萎縮しています。
丙丁火の暖と甲木の生扶を求めます。
財と官と印の用法
丁火は陰柔の火であるから天干に比肩(丁)を見るか、甲木を見れば身が旺じますので発展が可能となります。
冬月の丁火は甲木があって庚金で伐採して丁火に引くことを良好とします。
水が旺ずる季節でなので、庚金を取用する場合は命式に土(未、戌)がないと金は水を生じ「金寒水冷」となります。
病薬法
冬季は水が旺じて病となりますので、其の場合は戊土の薬でもって水を制し、甲木と丙火を以って生扶します。
戊土 、春月生まれ
戊土:寅、卯月生まれ
季節と調候
春は木気が盛んな季節で、戊土は生気が弱くて余寒が残存しています。
丙火が無ければ寒土では万物を生ずる事が不能であります。
故に丙火の太陽があって寒土を解き、我が身を生ずる事を必要とします。
財官の用法
戊土は山岳の強い燥土ですからそれ自体では霊(生物)を宿すことができません。
丙火(偏印)があって日干の戊土が強ければ甲木(偏官)の疏土(そど=土を切り開くの意)を求めます。
甲木が無ければ禿山であり乾燥した大地で霊がなくて困ります、そこで生物である甲木が生えていれば良いのです。
乙木では強い戊土を疎土(そど)する力が弱いので頼りになりません。
甲木が育つには癸水(正財)の滋潤が必要です。癸水は財星でありますから、癸水が無いと言うことは財縁が薄い事になります。
従って寅卯月は、調候と印星である処の丙火を先に用いて甲木と癸水を次とします。
甲木と癸水のみがあって丙火がない命は、富貴を得るためには人以上の苦労が必要となります。
又、命式に火が旺じ水がないと一生苦労のみで功を得ることができません。
戊土:辰月生まれ
季節と調候
春の辰月は晩春で、山岳の強い燥土である戊土が月令を得て旺じている季節です。
既に寒気は除かれていますので、必ずしも調候として丙火を必要とはしません。
財官の用法
戊土は山岳の強い燥土ですからそれ自体では霊(生物)を宿すことができません。
辰月は戊土が大変旺じて厚土(こうど)となっています。
故に、甲木(偏官)が在って厚土を疏土(そど=土を切り開くの意)しなくてはなりません。
甲木が無ければ土に霊(生物)がなく、禿山であり乾燥した大地では困ります。
そこで生物である甲木が生えていれば良いのです。
又、甲木は水が無いと育ちませんので癸水(正財)の滋潤を求めます。
辰月は戊土の日干が旺じて身強となりますので、先に甲木(偏官)で疏土でするのです。
従って天干に癸水の財星で以って偏官を生ずる命を上格とします。
夏月生まれ
戊土:巳月生まれ
気候と調候
巳月の戊土は丙火と戊土が月令において建禄となり旺じます。
戊土は重厚な土となり、更に夏月ですから火炎が旺じて土が乾く恐れがあります。
「火炎土燥」となるのを防ぐために癸水の配合を求めます。
財官の用法
日干の戊土は旺じていますので、先に甲木(偏官)を用いて土を疏土(そど=土を切り開くの意)する必要があります。
夏月は丙火(偏印)が旺ずる気候ですので、甲木が焚木(ふんぼく)となるのを防ぐために癸水を以って甲木を補佐する必要があります。
巳月は火炎を恐れず、甲木の偏官を主として癸水の滋潤を以って用神とします。
甲木と丙火の透干を見て地支に癸水を蔵する命でバランスが良ければ発展いたします。
丙火と癸水が透干して横に並んで妨害せず、官印の配合バランスが良ければ発展ができます。
戊土:午月生まれ
季節と調候
午月は火の気勢がますます旺ずる季節となりますので、土は乾き「火炎土燥」となります。
午月の病(やまい)は火炎にあります。
従ってまず解炎することを以って重要としますので、癸水よりも壬水の「薬」を以って真神とします。
癸水ではその力が弱くその作用はなかなか働きません。
財官の用法
午月は先に壬水(偏財)を用いて、次に甲木(偏官)を取用します。
壬水が無ければ甲木は焚木となり、其の役目を失います。
午月は壬水があってこそ甲木を用いることが出来ます。
壬水(財星)と甲木(官星)が天干に並び見る命式は、権力と地位が得られる人となります。
身強の命は庚金(食神)へ洩らすよりも、甲木の官星で制土する方が上格です。
天干に戊己土が透干していれば用神の壬癸水を傷めますので財縁が薄くなり、官星の甲木が育ちません。
戊土:未月生まれ
季節と調候
午未月の戊土は「火炎土燥」となっています。
未月は大暑前(7/23)と大暑後は同じではありません。大暑前は午月に準じます。
未月は燥土が旺ずる季節となり病は燥土にありますから癸水を以って土の乾きを防ぎます。
財官の用法
未月は土が旺ずる季節ですので、甲木の疏土(そど=土を切り開くの意)を以って貴と致します。
即ち、旺ずる土は官星を持って制する事を第一とします。
季節は夏でありますから、甲木を生扶する水が無ければ、木性は焚木(ふんぼく)の象となりその力が発揮できません。
故に未月の戊土は先に癸水(正財)を必要とします。壬水でも可能です。
未月の下半月は残暑は厳しいが朝夕はチョッピリ涼しくなってくるので太陽の丙も必要となります。
丙火を用いる場合は先に癸水があることが条件となります。
癸水と丙火が天干に離れて透干しておれば、自然と権力と地位が得られる人となります。
癸水と甲木が透干して丙火が無くとも相当の地位を得ることが出来ます。
命式に癸水、甲木、丙火が共に無い命式は平庸の人物となり発展することはありません。
癸水だけで甲木がない人は、癸水の財星を用いることになりますので多少の財産を得ることができます。
秋月生まれ
戊土:申月生まれ
季節と調候
申月の戊土は陽気が徐々に衰退して寒気が出てくる季節です。
戊土は申月に在っては洩気となり寒が進みます。
故に丙火の照暖(しょうだん)を先に用います。
丙火を用いれば燥土となり易いので後に癸水を取用します。
財官の用法
丙火が在って身強であれば癸水(財星)を用いて弱い甲木の官星を扶けます。
命式に土が多くあれば土が滞りますから甲木を用いて土を制する必要があります。
命式に丙火(印星)、甲木(官星)、癸水(財星)が天干にあるとこれを「三貴格」といって自然と富貴を得ることができます。
癸水が地支にあって丙火が天干にある命式は、財星と印星が相剋しない命式ですから相当に地位があがります。
癸水(正財)と甲木(偏官)が無い命造は凡人であります。
戊土:酉月生まれ
季節と調候
酉月の戊土は金気が旺じ寒気も進む季節です。
酉月は戊土の生気を辛金に洩らしますので土は洩弱(ろうじゃく)となっています。
寒気を抑え我が身を生扶する丙火を先に求めます。
酉月は丙丁火の印星を用としますので、土が燥となりやすいので癸水の滋潤を求めます。
財官印の用法
金は寒を生じますので丙火の印星を用いて暖を取り、我が身を扶けます。
しかし燥土は金を生じることができませんので、癸水で土を湿らすことが必要になります。
つまり、酉月は先に丙火を用いて後から癸水を用います。
酉月は土の生気を金に洩らしますので、甲木(官星)の制を必ずしも必要としません。
命式において丙火(印星)と癸水(財星)が天干にあれば、我が身は印星の扶助を得て旺じます。
さらに月令の辛金(傷官)をもって財星を生ずることを用となすならば「傷官生財」となって五行の気が流動し必ず発展する人です。
また丙火が天干にあって癸水を蔵する命式は富貴を多少得ることができます。
戊土:戌月生まれ
季節と調候
戌月は戊土が月令を得て旺じます(土は土を見れば旺ずる)。
戌の蔵干には丁火を含んでいますので、調候である丙火を先に取用する必要はありません。
先に甲木を用いて後に癸水を用いるのです。
財官の用法
戌月は土が旺ずる季節ですので戊土は身強となっています。
日干が強ければ剋するか洩らすかが必要です。
この場合は甲木の官星を以って制するを上格としますので、先に甲木を求めます。
甲木の疏土(そど=土を切り開くの意)を以って貴と致します。
甲木は燥土(そうど)の候(季節)には水が無く弱いので、乾いた土を湿らす癸水(正財)を必要とします。
癸水が有れば甲木は水気を得て勢いが出てきます。
丙火(偏印)と癸水(正財)が無く、甲木のみある命は孤官(孤独の官星)に扶けが無いために名利が共に欠ける事となります。
金気(食傷)が強い場合は、戊土の気を洩らしますので、甲木は不要になります。
剋と洩気の両方を使うことは我が身の日干が衰弱しますので用いる事ができません。
金気が強い場合は、土-金-水と水気を使えば気が流動するのでこれを良好とします。
我が身が弱くなるようでしたら丙火を使って我が身を扶助するのが良い。
冬月生まれ
戊土:亥月生まれ
季節と調候
戊土の亥月は冬の季節で土は寒土となっています。寒土では万物を生ずることが不能であります。
故に丙火(太陽)で以って戊土を暖める必要があります。
但し、冬の丙火は絶地となり弱いので甲木で扶けるを喜びとします。
財官の用法
亥月は甲木(偏官)が長生となり、そして壬水の偏財は建禄を得ています、月令の蔵干には甲木がある、従って丙火が透干しているならば貴命となります。
そして土気が強くなれば固くなった土を柔らかくするために甲木(偏官)を使います。
印と官
亥月の戊土は甲木と丙火が最も必要な星となりますのでこれを傷つけてはいけまません。
亥月の戊土は用神を甲丙に求め、丁火と戊土を補佐とします。
亥月に於いては壬水(偏財)が旺じる季節ですから、壬水が天干にあれば、丙火の火を損傷することになります。
従って戊土を使って壬水を制し丙火を救う必要があります。
庚金があれば丁火で制するならば異途において発展する事が出来ます。
戊土:子丑月生まれ
季節と調候
子、丑月生まれは寒気が厳しく凍結する恐れがあります。
従って、調候である丙火(太陽)の照暖を急ぎ求めます。
そして甲木をその補佐として冬の弱い丙火を扶けます。
印と官
我が身が強くて丙火と甲木が天干にあって大運にて旺ずれば富貴を得ることができます。
丙火があって甲木の無い命は家は富むかもしれませんが、官星がないので「貴」を得ることができません。
甲木があって丙火の無い命式は貴はあるが「財」がない清く貧しい人となります。
丙火と甲木の両方が無い命式は下賎の格(心が卑しく行動力もない)となります。
己土 、春生まれ
己土:寅月生まれ
季節と調候
初春の寅月は雪や氷が解けて雨水となるも余寒がまだ残存する季節であるから、丙火(太陽)の照暖(しょうだん)が何よりも必要です。
丙火すなわち太陽の火があれば万物は自ら生じ成長します。
己土の性情
戊土は頑固な山岳の土で水気を求めるのに対し、己土は優しい田園の土で人柄は大らかで物事を受け入れる体質をもっています。
己土と壬水
己土は壬水を病(やまい)として見ます。
なぜならば壬水は強い大河の水であり、その勢いは優しい田園の土である己土の肥えている表面の土を洗い流してしまう恐れがあるからです。
もし壬があった場合には、山岳の戊で水を制する必要があります。
戊は堤防を作って田園を陽水から防ぐ働きがあります。
命中に於いて壬水を多く見るも戊土の透干があれば、清よらかにして富貴の人としてみます。戊土が無い命は平常の人であります。
財官印
寅月生まれは丙火、癸水、甲木の3つの配合をもって喜びとします。
寅月は木気の官星が旺じ、日元は衰弱しているので丙火の印綬を用いて我が身を生扶し、更に調候を得ることにより身強に転じます。
丙火が有れば田畑の己土が乾きますので癸水を補佐として求めます。
即ち、水火既済を以って中和を得ることになります。
甲木が強い場合
命中に甲木が多くある(殺太過)場合には、庚金が透干して甲木を制し、加えて丙と癸があれば配合の中和を得ることとなり発展することができます。
もし庚金の制がなければ己土が甲木から損傷を受ける命式となり、残疾があるか、発展が出来ない命となります。
戊土が強い場合
命中に戊土が旺じていれば、甲木の正官を用いてこれを制すれば発展することが出来ます。
乙木では山岳の荒々しい土である戊を制することができません。
乙木は草木ですから多くあっても力が弱くて無益です。
乙木が多くあると悪知恵の働き、器が小さい人間となります。
己土:卯月生まれ
季節と調候
己土が卯月に生れるは春の木気が盛んで、陽気もだんだんと満ちてくる季節です。
ただ己土の田園はまだ旺じておらず、丙火の配合を得れば生気が湧いてきます。
土は「火土同根」と言って「土と火」で以って旺じます。
印星、官星の用法
卯月は乙木(偏官)が旺じて我が身は衰弱しています。
偏官(殺)が強ければ印星に化して「殺印化格」とすることです。
丙火(印綬)があって、旺ずる木気(偏官)を火気(印星)に流して我が身を生扶して強くなれば、甲木(正官)を用いて制することにより貴を得ることが出来ます。
乙木(草花)では力が弱く疏土(そど=耕す)すことが出来ないので甲木が是非とも必要です。
丙火があって身強であれば甲木を以って田園の土を疏土してやり、次に丙火が有れば乾くので癸水で湿らす必要があります。
即ち、「財星、官星」を用いることができます。
己土が旺じ、さらに甲木(官星)、丙火(印星)があれば大変な勢力がある命として判断します。
しかし壬があれば己土が流されてしまいますからその富貴は小さくなります。
庚金があれば、甲木を制します。
我が身の己土から甲木を見れば、正官ですからこれが潰れてしまいます。
但し、甲木が旺じていれば庚金をもって甲木を制する必要があります。
丙火がなければ貧しく性質が陰的な人となります。
己土:辰月生まれ
季節、調候
己土が辰月に於いて生まれるは、雨がよく降って田畑を潤し、百穀の栽培の季節であります。
従って己土に丙火の照暖(しょうだん)と、そして癸水の滋潤があれば穀物を育成するための条件が揃います。
財、官、印の用法
辰月に在っては、辰の蔵干に癸水を蔵しているので、先に丙火を取用して後に癸水を用とします。
己土が身強であるならば甲木をさらに求めます。
己土が戊土と丙火を天干に見れば、己土は戊土の気勢があると見て甲木を用いて制します。
即ち、己土の辰月生まれは、丙火(印星)、癸水(財星)、甲木(官星)の3つが天干に並ぶのを最上とします。
この3つのうち1つでも天干に有って、2つが地支にあれば富貴を得ることができます。
丙火を用いる場合は、壬の制があってはいけません。
癸水を用いる場合は戊、己の制があってはいけません。
甲木を用いる場合は、庚金の制があってはいけません。
以上 命式にとって必要な干支を損傷しなければ富貴の命であるということが言えます。
用神(喜神)の取り方
甲、丙、癸の用法は、命造に土が多ければ先に甲木を取用します、命造が暖燥となれば先に癸水を取用します、命造が湿潤であれば先に丙火を取用します。
夏月生まれ
己土:巳、午、未月生まれ
季節と調候
己土は田園の土です。
夏月は陽気が盛んで日照りが続き、土は乾燥して燥土となりますので気候の調和が何よりも必要です。
癸水(雨露の水)は田園が乾燥して亀裂を生じない様に潤沢します。
次に己土は丙火を必要とします。
己土は夏でも太陽の丙火がないと穀物を育てることが出来ませんので丙火は必要です。
印星、財星用法
巳月の己土は調候を求めますので癸水(偏財)を以って「用神」とします。
命中に於いて丙火と癸水を見て相互に妨げず、そして辛金が加わって癸水を生ずるは癸水に根が有るとみます。
夏は水が枯れやすいので水源である辛金(食神)があれば癸水を扶けますので良好とします。
故に己土の夏月は丙火(印星)と癸水(財星)が天干に有って相互に妨げなければ上等の命となります。
己土が丙火(印綬)を得て、自然に旺じた後に、食神-財星と用いる命は水火既済(すいかきさい)となって富貴の格であります。
癸水を用いる場合、戊土が天干にあって癸水と干合して用神を傷めないことであります。
癸水がない場合は壬水でも使えますが、その発展は小になります。
水が無い命
命中に於いて丙丁火が多くあって壬癸水の救いが無ければ火炎土燥となり田園は亀裂が生じて乾土となります。
水が欲しい夏月に水が全くない命式は必ず貧であり、孤独の人となります。
秋月生まれ
己土:申月生まれ
季節、調候
己土が申月に生れるは、朝晩はところにより涼風が感じられる季節となり、五行の金気が大変旺じています。
従って先に丙火の照暖(しょうだん)があって、次に癸水が欲しい季節となります。
傷官生財の用法
月令「申」の蔵干に庚金(傷官)と壬水(正財)があるので、我が身の生気は洩気して衰弱してます、従って丙火(印綬)を以って我が身の己土を生扶する事が必要です。そして癸水が透干するならば上格として看ます。
身強の命は月令に庚金(食傷)が旺じるので、先に癸水(偏財)を用いて後に丙火を取用する事です。
但し、癸水と丙火が透干して並び見て傷めないことです。
身強で傷官があれば「傷官生財」と流通させることで発展が出来ます。
癸水と丙火
秋は金気の傷官が旺じるので、癸水の偏財は傷官の気を洩らし己土の精神を補います。
即ち、旺気が傷官の凶星で止れば人生に悪い影響が出てくるので水の財星へ流すことです。
丙火(印綬)も金を制する作用があるので、己土の精神を補う働きがあります。即ち、「傷官佩印」となるのです。
水と火のいづれが欠けても大きな発展を見ることはできません。
己土:酉月生まれ
季節と調候
己土の酉月はお彼岸の季節で金気が旺じて月令は食神となります。
金気が旺ずることは、我が身は洩気して衰弱しています。
故に、我が身を生扶する丙丁火を得ることにより生気が湧いてきます。
食神生財
もし地支が巳酉丑と金局を成して、癸水が天干にあり地支に根があると、「食神生財」になりますが、我が身は身弱でありますので必ず丙丁火の印星を求めるか、我が身が旺ずる運へ向かうを求めます。
身強の食神生財は、食べる、着る、住むといった衣食住に困ることはありません。
印星、比劫
命式の地支に印星があると、印星は我が身を助けます。
命式の地支に比肩があると、比肩は我が身と同気ですので、我が身が強くなります。
従って印星と比肩があると、富を得ると同時に、貴を得ることができます。
金が旺じる
地支が金局して金が旺じる場合は、我が身の生気を洩らし尽くして衰弱の命となり発展が不可能となります。
もし丙、丁の生扶と制がないと、志を失って孤独な命式となります。
丙、丁の制がない場合でも、癸水があれば金気を水に洩らすことができ、水は土から見れば財となりますので、財を得ることができる命式となります。
己土:戌月生まれ
季節と調候
己土の戌月は晩秋となり何となく淋しく見える季節となり、五行の土が大変旺じています。
戌土は丁火を蔵し燥土でありますから、癸水で以って潤沢するを必要とします。
晩秋に金水が多く有れば「金寒水冷」とにり寒が進みますので丙火の照暖を求めます。
財星、官星の用法
戌月は己土が旺じているので甲木の疏土(そど=土をほぐす)が必要になります。(日干が旺ずれば制するか洩するかが必要です。)
しかし甲木は秋月においては絶地で気勢が休囚して弱いので、水で以って甲木の官星を扶助しなければなりません。
戌月は甲木(官星)が天干にあって干合しておらず、癸水(財星)の助けがあると水-木と甲木を扶けて良い仕事を得ることができます。又甲木が土の比劫を抑えるならば財星を護り富を得ます。
なぜならば、土から木を見ると官星で、土から水を見ると財星になるからです。
金が旺じる
秋の己土は金気(食神)が旺じますので、気を洩らして我が身が衰えます。
従って、丙、丁火は(印星であり、調候です)を用いて己土の扶助を得ることが必要です。
丙、丁火がなく、しかも地支に金が旺ずる命式であれば、我が身の己土の気を洩らすばかりですので、寒気が旺じ寒々とした命式となって孤独で苦しみが多い人となります。
食神生財格
丙火(印星)が天干にあって、癸水(偏財)が地支の蔵干にあって、さらに水を生ずる金(食神)があった場合は、食神生財格の命式となって発展する人となります。
火が旺ずる場合
地支に火の勢いが強いと甲木が天干にあっても、火の旺ずるを助けるのみで土を疏土(そど=土をほぐす)するという本来の作用を失ってしまいます。
この場合は水の救いがないと、旺ずるだけの偏屈な作りとなって人格が良くありません。
冬月生まれ
亥、子、丑月生まれ
季節と調候
己土の冬月は、こがらしが吹き荒れ田園の土は氷結して万物はすべてが休囚する季節です。
従って己土は丙火の照暖(しょうだん)がなければ生気が得ることができません。
故に調候用神である丙火が最重要となるわけです。
但し、丙火を傷める壬癸水を横に見ないことです。
丙火(太陽)
冬の丙火は絶していて力が弱いので地支にあるだけでなく、必ず天干にあって通根(天地一体となる)するか、甲木ので生扶がなければいけません。
命式において官星、食傷、財星を使うにしても、冬季は丙火の照暖を絶対に欠かせません。丙火が無いと己土本来の生気が萎縮してます。
丁火
丁火は丙火と同じく火という五行です。
しかし、その性質は人工の火ですから、太陽の丙火のように寒を和らげる力はありません。
しかし丙火がなく丁火しかない場合でも、丁火の燃料である甲木が多くあれば丙ほどではないにしろ、暖をとることが可能になります。
財太過
命中に於いて壬水(財)が多くあるも、戊土が透干して之を制するは財星を抑えてバランスが良くなり発展が出来ます。
戊土が無ければ財太過の命となり「富屋の貧人」で一時的には発展出来ても身体が弱り、財は身に付かず貧となります。
庚金、春月生まれ
庚金:寅月生まれ
季節と調候
庚金が寅月に於いて生れるは、木気が盛んな季節で金は絶となり気勢が無く弱いので必ず土の扶助が必要になります。
寅月は木が旺ずる季節ですので、土の印星は木剋土と制剋され勢いがありません。
さらに土は寒気が残存する寅月には寒土であり、寒土は万物を育成する力が不足しています。
従って寒土は庚金を勢いよく生じることができません。
故に丙火の太陽を得て寒気を解いて土の印星を生じ、金を暖めることにより全ては皆活気を得て功ををなします。
寅月の庚金は丙火をもって最も重要な用神とします。
財星、官星の用法
命中に於いて丙火と甲木が透干するは配合の中和を得て発展することが出来ます。
また1つが透干して1つを蔵する命の場合でも運程に於いて発展することが出来ます。
命中に丁火(正官)が透干して戊己土があり、水の食傷が無い場合は富貴を得ることが出来ます。
但し、官星を用いる場合は水が無いことが条件となります。
土の太過
命式に土が多く有りすぎると、金が埋まる恐れがあります。
金が埋まれば理解力が不足して発展が阻害されますので、甲木を用いて土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)すれば貴を得ることが出来ます。
財星
命式において、甲木が地支にあると庚金からみて甲木は財星ですので、富を得ることができます。
しかし庚金や辛金が天干に2つ以上並ぶと、「比劫争財」となって兄弟姉妹、友人が財を奪い合う命式となります。
全て、財星をもって用神とする命式においては、比肩、劫財を見るべきではないのです。
官星
命式において、丁火(官星)が天干にあって、我が身を生ずる己、戊(印星)があって丁火を潰す水(食傷)がない場合は、官星を用いることできるため富貴を得ることができます。
全て官星を用いる場合は食神、傷官を見てはいけないのです。
官星を用いる場合、財星もあって(財星は官星を生じます)、印星(我が身を扶助します)を補佐とすれば用いることができます。
官星は仕事の星、出世の星ですから男性であればやはり欲しいところです。
庚金:卯月生まれ
季節と調候
卯月に於いては、卯の中の乙木が月令を得て旺ずる季節です。
庚金と乙木は和合して暗に金気が強くなります。
卯月の庚金は、寅月と同じように気勢が衰えて絶となりますから、土の印星で扶助するか、又は比肩すなわち庚金が必要になります。
地支に申、辰があると金気が強くなり、この場合は丁火を用いることを喜びとします。
財星、官星の用法
我が身の庚金が健全で強い場合は、丁火(正官)を以って用神とし甲木(偏財)を補佐として離すことが出来ない、即ち財をもって官を生ずる命式となります。
春の丁火は燃料となる甲木を離すことができません。
また甲木を丁火に引くためには庚金で伐採する必要があります。
この3つの星を「三友」と言います。
乙木
春の乙木は青草で幾ら多く有っても甲木の様な燃料とはなりえません。
庚金:辰月生まれ
季節
辰月は春の土用で月令に戊土あって土が旺じてる季節です。
土の印星は土-金と庚金を生じてます。
金は土から生れてますので、天干に戊土が多くあれば金は土に埋まってしまうので嫌います。
地支に少し有るのは良いとします。
辰月は温暖であるから調候を求めなくてよい季節です。
財星と官星の用法
戊土(偏印=倒食)が旺じる場合は、甲木(偏財)をもって戊土を制することにより埋まっていた庚金が顕れます。
偏印が旺ずれば福禄を損ずる事が多いので制することが必要です。
庚金の頑金を鍛錬(たんれん)するには丁火が必要です。
従って、庚金の辰月生まれに於いては、丁火と甲木を必ず必要とします。
もし命式の天干に戊土がなければ、甲木がなくても可ですが、丁火がないと頑金が庚金にならないので丁火は必須です。
身強で財(木)と 官(火)があれば富貴を得て栄華を得ることは、全て言える内容です。
庚金の性情
通常、陽干は陽干で制することを喜びとします。
すなわち甲木は庚金で制し、丙火は壬水で制し、戊土は甲木で制し、壬水は戊土でダムを作ります。
庚金だけがその性質が異なるため、丁火で制することを喜びとします。
庚金は頑金ですから太陽の火では鍛錬(たんれん)することができません。
夏月生まれ
庚金:巳月生まれ
季節と調候
庚金が巳月に於いて生れるは、月令に丙火と戊土が旺じる季節になります。
庚金の巳月は十二運が長生となるも、他の五行(木火土水)の長生と比べれば一番弱い長生です。
壬水(食神)の用法
夏の庚金は戊土の生扶を求めるも、火土が偏燥となるから壬水(食神)を以って救神とするのです。
水を得るは火を制して潤土の働きがあります。
即ち、洩気の水が功をなします。之を「反生の功」のと言います。
水があれば戊土を湿らせ、金を生じることもできますし、生じた金を火でもって鍛錬(たんれん)することも可能となります。
よって夏生まれの庚金は、水を離すことができません。
壬水を地支に蔵するだけでは多少の富貴は得れるが有名無実となるので運程に於いて壬水を引き出すことです。
従って壬水、丙火、戊土の3つを用いる場合は最も上格として論じます。
丙丁火が強い場合
丙丁火が強い命は壬水の食神で以って制する食神制殺を上格とします。
命式に丙火(偏官)が太旺しているにもかかわらず、壬水(食神)の制がない命造は場合は、月支蔵干にある戊土(印)が丙火(殺)を洩気するとは言っても中和を失った命式で次格となります。
こういった命式の人は仁義に薄く妻と子どもを傷める人となります。
大運と湿土
巳月は既に火の旺地であります、故に金は既に火に逢って損傷しているのです、柱中にあって再び火を見るは溶けることになります。
若し、大運が南方の地に入ると其の害は大となりますが、辰土に逢うと湿土が晦火(ばいか)して、金は巳の長生を得ることになり発展を得れます。
金水が強い場合
四柱中に金水が旺じる場合は、月令にある当旺の火を用います。
また命式において金が旺じていれば、必ず丁火(正官)を使って、頑鉄を鍛錬(たんれん)して器を成す必要があります。
庚金:午月生まれ
季節と調候
午月に於いては丁火が旺じ猛暑の季節で庚金は衰弱しています。
庚金を鍛錬(たんれん)する丁火が旺じてる季節となりますので壬水、癸水を離すことができません。
午月は蔵干に丙丁火と己土が相生しています。
つまり官(丁)と印(己)が旺じ「火炎土燥」を成しています。
従って水を用いて火を破り、土を湿らすことをしなければ庚金を生じることが不可能です。
水が全く無い命式は偏枯で上等の命式とはなり得ません。
比劫の扶助
午月の庚金は火が旺じて気勢は極めて弱いので、先に壬癸水を用いての燥土を湿土に成して金を生ずると言えども、やはり庚(比肩)、辛(敗財)の扶けを必要とするのであります。
身弱であっても洩気の壬癸水を用いるは「反生の功」があります。
即ち、生に反するけれども扶けとなります。
つまり我が身が強ければ壬水(食神)に秀気を洩らして燥土を湿土に潤沢して金を生じさせます。
この様な命造は自然に富貴を得ることが出来ます。
壬水を地支に蔵して金が透干しておれば、壬水を傷めないと言えども用神が透干していないので頭脳は良いも発展に苦労があります。
火が旺ずる
地支が火局を成して火の旺ずる造りは金が溶けることになるから水の制が無ければ発展は不可であります。
地支が火局を造り水が無く戊己土が透干するは、火を洩して「官印相生」を作り庚金を生扶する事が出来るも、火土の偏燥を嫌うから孤貧を免れる事は出来ません。
土が天干にある場合
戊土、己土が天干にあれば、「用神の水」を土剋水と損傷しますので大変嫌います。夏月は炎燥の候ですので水が用神となります。
庚金:未月生まれ
季節
未月の庚金は残暑は厳しいが朝夕は幾分かは涼しくなる季節です。
また未月は蔵干に丁火が有るも火-土と火は土に洩らして土が旺じて庚金は気を得ます。
従って身強となるのが普通です。
財星、官星の用法
命式が身強であれば、財官を使うのが原則ですから、丁(官)、甲(財)をもって喜びとし名を挙げ身は栄えます。
もし甲木だけがある場合は、財貨はあるが良い仕事がないという命になり俗人となります。
もし丁火だけがある場合は、官星に助けがなく「孤官」とにりますので秀才ではあるが文筆活動などで名をあげるしかない人となります。
丁火も、甲木も無い人は下賎の命となります。
土の太過
命式に土が太過する場合は、金が埋まりますので甲木でもって土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)します。
即ち、土を制すれば金が顕われてくるようになります。
庚金が土に埋まれば理解力が足らない愚かな人となります。
従ってこの場合は天干に甲木があることです。
身弱の場合
命式が身弱であれば金の庚(比肩)、辛(敗財)を得るか、水で土を湿らし生金すことが必要になります。
秋月生まれ
庚金:申月生まれ
季節と調候
申月の庚金は、月令を得て十二運は建禄となり剛鋭が極まる季節のため、丁火の鍛錬(たんれん)を何よりも必要とします。
次に、甲木があれば丁火を生じることができるため甲木が必要となります。
丁火は調候の役割も兼ねています。
財星と官星の用法
身強の命造は財と官を用いるのが上格の造りであります。
丁火(正官)が有って甲木(偏財)の無い命造は、官星に扶けが無いために孤官(こかん)となり僅かに秀であるに過ぎません。
丁火と甲木が共に無い命は、名利が共に欠ける事になり下格となり無用の人となります。
丁火が無く甲木のみ有る命は、申の蔵干に壬水が長生に当たるために食神生財となるも、甲木は申月に於いては休囚の時で力かが弱いために衣食に不自由しない程度の平常の人であります。
地支が水局を造り丁火が乏しく、丙火を用となし命中に丙火があって甲木の無い命は無用の人となる。
地支が土局を造る命造は甲木を以って疏土する必要があります、土を破ることによって金が顕われる、先に甲木を用いて後に丁火を用いるのであります。
金が旺じて甲木(財)が軽く、丁火の無い命は富みは得ても貴は得ることが出来ません。
最上の命
「明理賦」に言う、強金は水を得るとその鋭鋒を砕くため、水に気を洩らすが良いかの如く見えるも、それは庚金の性情を知らぬからである、必ず丁火を以って鍛錬しなければ大器をなさないのである、故に丁火を以って用神とする事を最上とします。そして丁火は燃料の甲木を必要とします。
庚金:酉月生まれ
季節と調候
申月の庚金は月令が陽刃(ようじん=帝旺)となり剛鋭が極まる季節でありますが、晩秋ともなれば寒気が漸増(ぜんぞう)する季節となります。
故に丙丁火の官星を併用するのです。
財星と官星の用法
庚金が旺じていますので丁火(正官)で以って庚金を鍛錬(たんれん)して更に丙火(偏官)を以って寒気を除くのであります。
丙と丁が両方あると、庚金から見れば、正官と偏官の両方があることになり、いわゆる官殺混雑(かんさつこんざつ)となります。
官殺混雑は良くないと論じますが、この場合に限り併用はむしろ喜びとするのです。
即ち、酉月生まれの庚金は、丙火と丁火の両方が天干にあるのをむしろ貴とするのです。
次に、火の「丁火」は晩秋ともなれば退気となりますから、甲木(財)が有って丁火を生じることが必要となります。
一位の丙火が透干(とうかん)するは調候に過ぎず秀と言えども丁火が無いと富をなしません。または地支に木を多く見る命は常人であります。
甲木を地支に蔵して丁火が透干して、水が丁火を傷めなければ富貴を得れます。
丙火が透干して丁火を地支に蔵するは異途において発展します。
最上の命
このように、庚金の鍛錬には丁火を用いるのを最上の命とします。
そして丁火の火を燃やし続けるには燃料の甲木を必要とします。
庚金:戌月生まれ
季節、調候
戌月は秋も深まり霜が降りる候で、月令においては戊土が盛んになり旺じています。即ち、印星(母)の星が旺じています。
地支に戊土が有って天干に透干(とうかん)しておれば、土が厚くなり金を埋金(金が埋まる)する恐れがあります。
戊土は火を含んだ燥土でありますから水気も必要です。
食神と偏財の用法
庚金は土に埋まるのを嫌いますので、先に甲木(偏財)を用いて土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)を必要とします。
戊土は通変星でいえば偏印(倒食)です、旺ずれば困ります。
即ち、丁火を用いればさらに土が旺ずるので、甲木を用いて強い土を抑えてやらなければ庚金の気が顕われないのです。
秋の甲木は気勢が弱いので壬水を以って甲木を生じ、強い土を甲木が天干に透干して疏土する事を喜びとします。
壬水を以って庚金の気を洩らすこととなり配合がよろしく発展する人となります。
故に天干に壬水と甲木があり「食神生財」となるのを貴とします。
壬水と甲木が有れば上格とし、共に無ければ下格とします。
甲木が在って壬水の無い命は専ら甲木を以って戊土を制するを用とします。
秀気は流れないけれども庚金が埋没すること無く自らその用を顕します。
金水傷官
地支に水気が旺じていれば、金はその秀気を水気に洩らして「金水傷官」となって人よりも必ず聡明となります。
さらに丙火があれば調候を得ることとなり寒気を和らげます。
通常は 「傷官」と「官星」が並ぶのを凶としますが、このように官星と傷官が天と地に別れていれば、「金水傷官」が「官星」を見て喜びとするのです。
もし、丙火と癸水が天干にあれば、丙火の官星が損傷することになり発展することができません。
丙火は壬水を見て輝きますので恐れませんが、癸水を見れば丙火の輝きを曇らせますので喜びとしません。
冬月生まれ
庚金:亥月生まれ
季節と調候
亥月はみぞれや新雪が舞い寒気が進む季節で水が旺じています。
金から水を見れば「金寒水冷」となり水が旺じて寒が増します。
亥月は壬水が旺じていますので庚金の気を洩らして寒となるだけです。
必ず丙火(太陽)の照暖を求めます。
財星と官星の用法
身強であれば丁火(正官)の鍛錬(たんれん)と、丙火(偏官)の照暖(しょうだん)があって寒気を除かなければなりません。
庚金の性質は剛金ですから丁火の鍛錬がなければ器をなすことができません。
冬は壬水(食神)が旺じて丁火は衰弱していますので、丁火を用いる場合は甲木(偏財)の扶けを必要とします。
官殺混雑
寒気が漸増(ぜんぞう)していますので、亥月生まれの庚金は丁火(正官)と調候である丙火(偏官)を並び見るをもって美しい命式となります。
「官殺混雑」でも良好とする例です。
また丁火を使う場合は、その燃料の甲木を離すことができません。
身弱の場合
また亥月生まれの庚金は金気を水に洩らして身弱となります。
従って、身弱の場合は大運に比肩、劫財、申、酉があるのを喜びとするのです。
これを「傷官が劫財の郷を喜びとする」と言います。
土を嫌う
金水は濁りのない「清」を以って喜びとしますので、天干に戊土の印星があれば水が濁り「濁壬」するので金水傷官は聡明であるも頑固となり喜びとはしません。
但し、水が多い場合は己土を以って混壬するは、亥の蔵干に有る甲木を扶けることになり、甲木は丙丁火を生じます。
庚金:子月生まれ
季節と調候
子月は冬将軍の到来で寒気が増して厳寒の季節ですから、先に丙火(太陽)の調候を必要とします。
金水傷官
庚金が癸水を見れば真の金水傷官となって頭脳の回転が早く聡明であるも、寒が増し金寒水冷となりますので先に丙火の照暖を求めます。
子月は丁火(正官)よりも先に丙火(偏官)を使うところが亥月とは異なるところです。
金水傷官は丙丁火を以って用神とし甲木(偏財)を補佐とします。
庚金の性質は剛金ですから丁火の鍛錬(たんれん)がなければ器をなすことができません。
丁火と甲木が共に透干して丙火が地支に有るは貴を得ることが出来ますが、丙火が無ければ僅かに衣食が足りるに過ぎません。
傷官見官
傷官が正官を見ることは本来からいえば大変嫌いますが、例外として冬月の金水傷官に於いては丙火の正官を見る事を喜びとします。金水傷官は命造が寒いので太陽の暖が必要です。
但し、天干に並び見るは(離れてあれば良い)災いがあります。
身弱の場合
子月生まれの庚金は金気を水に洩らして身弱となります。
印星の戊己土を以って生扶するは金水が濁ってその清さを失うので、土を用いないで、運程に比肩、劫財、申、酉が来れば身強となりますので喜びとするのです。
身強の場合
身強の場合は大運が「財星と官星」すなわち、木、火運がくれば発展する時期となります。
庚金:丑月生まれ
季節と調候
丑月は寒が入り真冬で厳寒の季節となっています。
丑月は土が旺ずると言えども、丑土は水を含んだ湿土で寒気のために霜柱が立っています。
故に丙火の太陽を主要とします。
官殺混雑
丑月生まれの庚金は厳寒の候でありますから丙火と丁火が混雑するのを忌みません。
即ち、正官と偏官が並び見る「官殺混雑」(かんさつこんざつ)をもって喜びとします。
丑月は庚金の墓に当たり通根はしますが、寒気の為に気勢は弱く身旺とは言いません。
丙火が有って命造を暖めさらに寒土を暖めれば土に生気がでて金を生じて身強になります。
身強の命で丁火(正官)を使う場合は、丁火の燃料となる甲木の扶けを得なければ貴を得ることに苦労があります。
丙火が有るも癸水が透干すれば丙火を損ずることになり衣食には不自由はしないが発展が鈍くなります。
富貴双全
三冬の庚金は全て丙丁甲を備えるを以って上格として論じます。従って丙丁火が透干して甲木が之に加わる命造を以って富貴双全といいます。
辛金 、春月生まれ
辛金:寅月生まれ
季節と調候
寅月はその蔵干の中に丙火がありますから、陽気が地上に出て寒気は徐々に和らいでいく季節です。
従って丙火の調候は必ずしも必要としませんが、丙火(太陽)があって寒気をさらに和らげるのを喜びます。
庚金を暖めるためには、丙丁火を必要としました。
しかし、辛金を暖めるためには土が暖まっていれば金は自然と暖まってくるのです。
休囚の時期
春の辛金は休囚の時で勢いがありませんから、己土で辛金を生助する必要があります。但し土が多くあれば埋金しますので嫌います。
辛金が身強となれば壬水の流れ水で洗って輝かせないと辛金の効用を顕すことができません。
故に寅月の辛金は己土と壬水の用神を離して論ずるは不可であります。
己土と壬水
辛金は輝いていることが性情の基本です。
寅月に生まれた辛金は、己土(偏印)と壬水(傷官)が必ず必要であり、甲木(正財)の透干を嫌います。
即ち、寅月に於いては木気が盛んな時で辛金は衰弱していますので、己土の印星を用いて生扶し、身が旺じたら壬水の流れ水で洗って輝かせます甲木は印星の己土を剋しさらに壬水の用神の気を洩らすからです。
甲木が旺じて己土を制していれば庚金で以って甲木を伐採して制すれば命式はバランスが良くなり発展できるようになります。
辛金の性情
庚金と辛金の性質は全く異なります。庚金は強く荒々しい頑金であり、辛金は柔弱で軽くて清い金銀珠玉と見ます。
故に辛金は火を嫌い壬水の淘洗(とうせん)を欲します。
我が身が強い場合
金気が旺じた場合、庚金は丁火でもって剋するのを良好としましたが、辛金はその秀気を壬水に洩らすのを良好とします。
辛金は財官を用神とするよりも傷官の方が上格となります。
丁火を用いる場合もありますが上格とはなりません。
己土と庚金があって身強で壬水が無い場合は、甲丙の財官を用いるのでありますが変局であるため聡明にしか過ぎません。
辛金:卯月生まれ
季節と調候
卯月は春の陽気が満ちて蝶は活動し草木は青葉を出して暖かくなってくる季節ですので辛金は壬水を何よりも必要とします。
印星と比劫の生扶
辛金は輝いていることが性情の基本です。
辛金が卯月に生れるは休囚の時で気勢が弱いので、土を薄く見るのは良いが多く見れば埋金(土に埋もれる)しますから嫌います。
辛金の性情を考えれば、安易に土を使うことはできません。
故に運程に於いて比劫と申、酉に通根して旺ずるを喜びとします。
戊己土を忌む
辛金は流れ水で洗って輝かせるを上格としますので、土が多くて用神の水を剋し水を濁らせますから戊己土を最も嫌います。
土が多ければ甲木を以って土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)します。即ち土の病があれば甲木の薬を用いるのです。
壬水と甲木
身強の辛金は壬水と甲木が天干に両透するを以って最上の命とします。
壬水は辛金を輝かせ甲木は病の土を制します。
金水傷官
辛金がたとえ身強であっても、辛金は柔弱の金でありますから丁火(偏官)
で制剋すれば溶ける可能性があるので火を多く見るのを嫌います。
故に辛金が旺じているならば、その秀気を壬水に流し金水傷官とします。
金水傷官は聡明ではありますが、傷官は凶星ですので必ず甲乙木の財星へと流し傷官生財とします。
身弱の辛金が水を多く見るは洩気太過となり、屁理屈は言いますが事に当たり何も出来ない人です。
この場合は運程に於いて庚金か戊土の生扶を求めます。
辛金:辰月生まれ
季節と調候
辰月は春の晩春で雨が多く田畑は潤い月令に戊土が旺じます。
辛金は湿土の相生を得て気勢は弱くはありません。
只、戊土が旺ずる季節ですので天干に土が透干するのを嫌います。
淘洗(とうせん)する
辛金は壬水の流れ水で洗って輝かせるを上格とします。
辰月は戊土が旺じますので辛金は土に埋まる可能性がありますから必ず甲木の疏土(そど=耕す、制する、抑える)を欠かしては不能となります。
従って壬水と甲木を以って配合すれば富貴は自然と得られます。
命中に壬水が透干して甲木を蔵するは衣食は十分ですあり、甲木が透干して壬水を蔵するは富貴が得れるが、壬甲が共に無い命は平常の人です。
戊己土を忌む
辛金は輝いていることが性情の基本です。
辛金は流れ水で洗って輝かせるを上格としますので、土が多くて用神の水を剋し水を濁らせますから戊己土を最も嫌います。
土が多ければ甲木を以って土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)します。即ち土の病があれば甲木の薬を用いるのです。
但し庚金を見れば甲木が傷められその用を失います。
比劫を用いる
通常は土があれば我が身の辛金を相生して旺じさせますので良好だと論じますが、辛金の性情は輝きに有るので、別の法として我が身を強くするためには運程に於いて、比劫、申、酉に通根して旺じた我が身の気を水に洩らすことです。
夏月生まれ
辛金:巳月生まれ
季節と調候
巳月は草木が繁り丙火が旺じ汗ばむ季節で、辛金は火炎により衰弱しています。何よりも壬水の調候が欲しい時です。
巳月は月令の蔵干には戊土がありますが、暑い夏ですので土が乾燥し、火炎土燥となって辛金を生じることはできません。
用神(喜神)は壬水にある
命中に壬水があれば火炎を解き乾燥した土を湿らせ、辛金を生じることが出来るようになります。
また土が旺じていれば甲木をもって土を制剋することが必要になります。
甲木を用いる場合でも水がなければ焚木(ふんぼく)となってその役割を失います。
癸水が透干して壬水を蔵する命造は、壬水よりもその力量が減じます。
壬癸水が無く火の透干を見れば、柔弱の辛金は溶ける象となり働けど働けど苦労が多く発展が出来ません。
地支が火局して壬水の制が無ければ、土の印星を取用して火気を洩らしますので辛金は溶けなくて済みます。
但し、燥土では金を生じる事はできません。
比劫を用いる
巳月の辛金は旺火によつて既に衰弱しています。
地支に酉、丑をみて金局するか同気の申、酉、比劫を又は湿土を見れば身強となりその秀気を壬水の流して輝かせます。
壬水が透干し甲木があって戊土を制するならば発展が可能です。
辛金:午月生まれ
季節と調候
午月は一年中で昼が一番長く、丁火の火炎が旺じて辛金は柔弱の極地となっています。
必ず印星の湿土(辰、丑)と、壬水を併用するこであります。
一番良いのは申に通根する事です、申の蔵干には壬水があります。
水が欲しければ「申」を使えと言います。
官星を嫌う
辛金はよほどの身強でない限りは丁火を用いることは有りません。
午月は丁火(偏官)が旺ずる季節で、辛金は丁火に逢うと溶けてしまう憂いがあります。
午の蔵干には己土がありますが乾燥して金を生ずる事は出来ません。
故に壬水で以って火炎を解き己土を滋潤し湿土とします。
比劫を用いる
巳月の辛金は旺火によつて既に衰弱しています。
地支に酉、丑をみて金局するか同気の申、酉、比劫を又は湿土を見れば身強となりその秀気を壬水の流して輝かせます。
壬水が透干し甲木があって戊土を制するならば発展が可能です。
戊癸干合
壬水が無く癸水と戊土が共に透干すれば、水滴が燥土に逢う象となって土は潤沢を得る事が出来ません。
辛金:未月生まれ
季節と調候
辛金が未月に生れるは蓮の花が咲き残暑が厳しい季節で、月令に己土が旺じているも燥土であるため生金せず、ただ金の光を妨げるだけです。
故に甲木で重厚な土を疏土することです。ただ夏の甲木は弱いので必ず壬水で補佐することです。
壬水の用法
先に壬水を用いて湿土として庚金を補佐として日元を強くします。故に壬水と庚金が透干するは発展が出来ます。
壬水を用いる場合は戊土の透干を嫌います、若し戊土があれば甲木の救神が必要です。
甲木を用いる場合は水が必要で庚金を嫌います。
夏月は先に水が無いと、戊己土も甲木も庚金も使えません、水が無い人は偏枯の命となり富貴を得ることが難しくなります。
秋月生まれ
辛金:申月生まれ
季節
申月生れの辛金は初秋に当たり、月令に庚金が有って旺ずるも、帝旺で有って帝旺では無いのであります。
申の蔵干に壬水があり洩気するからです。
即ち月劫格となるも、壬水が透干しているならば金水傷官となります。
壬水が用神
申月は壬水の長生の地であるため、辛金は自然と金気の秀気を洩気する事になります。
庚金の申月生れは丁火の制剋を喜びとし壬癸水の洩気は次格としてますが、辛金は洩気の水を以って喜びとし丁火の剋は喜びとしないのであります。
従って壬水で洗って輝かせることができれば、「金水傷官」となって、秀才の命となります。
戊土は病
申月に生れて戊土があって甲木の無い命造は、病があって薬が無い造りとなります。
戊土が透干すると壬水を使いたくても、戊土が壬水を抑えてしまううので困ります。
辛金は申に通根して強いので戊土の印星は不要であります。従って甲木を以って救神とします、
斯学にあつては傷官を以って聡明としますので、甲木が有って戊土を制するは傷官を損傷しないために衣食には不自由が無い命となります
命中に水が太過するは洩気太過となり身が細るために、この場合のみ戊土を用います。
辛金:酉月生まれ
季節
酉月は秋の夜長を虫が鳴きとおす季節で、月令は建禄となり旺の極となります。
従って専ら壬水の淘洗(とうせん)を用います。若し壬水が無く丁火が透干するは丁火を以って旺金を制する、即ち変局であります。
旺神は制するか洩するかでありますが、辛金は洩気するを最上の喜びとします。
戊己土は忌む
辛金が旺ずる季節でありますので、戊己土の印星で以って生扶するは、やたらと埋金するので大いに忌むのです。従って甲木の制土を必要とします。しかし戊土が無ければ甲木は必要としません。
金水傷官
身強の辛金は壬水で洗って輝かせると「金水傷官」となって、秀才の命となります。
命中に一点の壬水があり甲木の財を多く見れば、壬水の気を盗むことになり用神の壬水は無力となります。この様な命は奸詐の人となります。
傷官生財格
月令に建禄を得て我が身が強く、壬水(傷官)があって、さらに甲木(正財)があれば、「傷官生財格」となって大変に清純な命式となります。
すなわち、一芸をもって秀で財を成す人となります。
身強の造りが財星を以って用神とする場合は、必ず食傷を通関神として転生すれば金木の相戦を免れます。
無頼の徒
辛金が旺じている命式で、壬水がなく辛金の気を水へ洩らすこともできず、また丁火の剋もない人は、我が身が旺じて依り所が無く無頼の徒となります。
辛金:戌月生まれ
季節
戌月は秋が深まり冬を身近に感じる季節で、月令戌の蔵干に辛金があり金の余気がまだ盛んな時期であると同時に、正気に戊土が旺じる季節でもあります。
また蔵干に戊と共に丁も蔵していますので土が乾燥する恐れがあります。
従って壬水を用い土を湿らす必要があります。
最上の格
辛金は輝いていることが性情の基本です。
辛金の戌月に在っては先に壬水を用いて、後に甲木を取用いたします。
壬甲が天干に透干する命造を以って最上の格といたします。
辛金は流れ水で洗って輝かせるを上格としますので、土が多くて用神の水を剋し水を濁らせますから戊己土を最も嫌います。
土が旺じる場合
戌月は土が旺じていますので辛金が土に埋まってその清く美しい光を失ってしまう恐れがあります、従って甲木の制土を必要とするのです。
土が地支に有るだけでは埋金はしないも、天干にあれば埋金します。
壬水と戊土が透干して甲木を地支に蔵する命は、戊土が壬水を傷めるも、地支にある甲木では天干の戊土を制する事が出来ません、命造は病が有って薬の無い命となりますから平常の人とみます。
命中に土が多く甲木があるも壬水の無い命は常人となります。即ち甲木を用いるのは埋金の憂いを去るためで、甲木が有っても壬水が無ければ発展が鈍くなります。
傷官生財格
我が身が強く、壬水(傷官)と甲木(正財)が天干にあって地支に通根しておれば、「傷官生財格」となって大変に清純で発展の命式となります。
即ち、一芸を以って秀で財を成す人となります。
冬月生まれ
辛金:亥月生まれ
季節と調候
亥月は寒気が漸増(ぜんぞう)して各地では雪が降り始める気候ですから寒気を除くためにも丙火(太陽)の調候を必要とします。
丙火があると水が暖まり金も暖まります。
金白水清
辛金は清く美しく柔らかい金ですから、壬水で洗い輝かせることを最も喜びとします。
辛金の亥月生れは丙火(正官)を以って貴とし、壬水(傷官)を以って富とします。
命式において、壬水と丙火が天干にあるのを「金白水清」と言って発展する造りです。但し壬と丙が並び見ずに離れてあることです。
また水が旺じすぎると金が沈むことになりますから、この場合は必ず戊土をもって水を制する必要があります。
壬水と丙火
命中に丙火が透干して壬水を蔵する命は小貴を得ることが出来ます。
壬水が透干して丙火を蔵する命は富みはあるも貴は少ない。
壬水と丙火を共に蔵する命は聡明といえども発展は出来ません。
戊土が多く有って壬水が弱い命は必ず運程に於いて水地に入って壬水が旺ずることにより名声を成すことが出来ます。
辛金:子月生まれ
季節と調候
子月は夜が最も長く寒気が肌を刺す季節で月令が癸水となります。
寒い冬の雨露は雪と氷になりますので、柔弱な辛金の生気は萎縮して活動が出来ません。
寒気を除くために調候である丙火でもって暖をとり、壬水で辛金を洗うことを必要とするのです。
従って辛金の子月生まれは、命中において丙火(正官)と壬水(傷官)が天干にあるのを喜びとするのです。但し壬と丙が並び見ずに離れてあることです。
戊土と癸水
命中において壬丙が天干に透干するは必ず貴を得ることが出来ますが、戊土と癸水を見ないことです。
即ち、戊土を見れば壬水は辛金を洗う能力が発揮出来ず、癸水を見れば丙火(太陽)がその照暖(しょうだん)の能力を発揮出来ません。
辛金:丑月生まれ
季節と調候
丑月は厳冬で寒さが一番厳しい季節ですので、丙火の調候を以って一番の喜びとします。
次に壬水で辛金を洗うことを喜びとします。丙火が無ければ寒土を解凍する事ができません。
また壬水が無ければ辛金を淘洗(とうせん)する事が出来ません。
丙火と壬水
丙と壬が透干する命造は金馬玉堂の客と言って名利が双全であります。
丙、壬のどちらかが透干して一方が地支にある場合は、発展を見る事ができます。
丙火が有っても壬水が無い命は富は有っても貴は仮のものであります。
壬水が有っても丙火が無い命造は貧賎の人として見ます。
辛金の性情
庚金と辛金の性質は全く異なります。庚金は強く荒々しい頑金であり、辛金は柔弱で軽くて清い金銀珠玉と見ます。
大河の水で洗う
辛金全体に言えることでありますが、辛金は流れる水で洗ってその輝きを増すことになります。
従って、壬水と出会うと貴を取るという内容になります。
水の太過
命中に壬水、癸水が多く有って病となる場合に限り、戊己土で以ってその水を制する薬として使うことができます。
そして丙丁火があれば衣食が足りる命として見ます。
壬水 、春月生まれ
壬水:寅月生まれ
季節と調候
壬水とは流れている大河の水を言います。
寅月の壬水は木気が盛んな季節で水-木と洩気して身弱となります。
故に水は気勢が弱いので氾濫の憂いが無いのです。
春の壬水は洩気して身弱なので、印星の庚金を水源として求めます。
金があると源が絶る事がないので源遠流長(げんえんりゅちょう)と言います。即ち水源があって水は遠くまで流れる勢いがあると言うことです。
次に初春はまだ寒さが残存するので丙火(太陽)の照暖(しょうだん)を以って寒気を除くことであります。
財、印の用法
壬水が丙火を見れば太陽の光を映します。
初春の寅月は蔵干に甲木、丙火、戊土、を暗蔵しています、どれを取っても壬水を扶けるものは無く、壬水は剋洩を受けて身弱となります。
故に庚金の水源を求め、寒気が残存するので丙火の調候も必要とします。
身強の命で庚金と丙火と戊土の三者が等しく透干するならば功名を得ることが出来ます。
戊土の用法
春の壬水は身弱ですから本来は戊土を必要としません。
壬水は比劫ならびに陽刃(ようじん)の亥子を見なければ氾濫の憂いが無いので戊土は必要とはしません。
壬水が旺じておれば戊土を以って水の氾濫を防ぐために用いるのです。
戊土があれば壬水が勢いがあるとも言えども氾濫することが無く正軌に水は流れます。
壬水の寅月生れは身弱なので戊土(偏官)を多く見れば、剋されて流れが停滞しますので戊土の太過を嫌います
即ち、偏官(七殺)太旺の命となり我が身は衰弱します。
しかし我が身も強く偏官(七殺)も強ければ食神で以って偏官を制する事です。
即ち「食神制殺」を作のは富貴の命となり度胸があります。
水の太過
壬水が多くある場合は水が奔流となり氾濫する恐れがありますので、この場合は戊土(偏官)で堤防を作る必要があります。
壬水:卯月生まれ
季節
卯月は陽気が進み冬眠していた動物や虫が穴から出て来る季節となり冷たい大河の水も温まります。
春の卯月は草木が繁茂する季節で、月令の木気が旺じて壬水は木へ洩気して弱っています。
我が身の壬水は木気(傷官)にそのエネルギーを洩らしますので、身強になるには庚、辛金(印星)の発水源を必要とします。
即ち印綬の辛金を用いて我が身を扶けつつ、傷官を抑える傷官佩印の造りを喜びとします。
官印相生
卯月の壬水は命中に戊土と辛金が透干すれば発展が出来ます。辛金は壬水の母(水源)であり、戊土は堤防となって官印相生の象となり良い造りとなります。
戊土と辛金が無く庚金が透干して乙木と干合しなければ用を成すことができます。即ち壬水に水源がある事になるので、月令の傷官を用いて富を得る事が出来ます。
甲木と丁火
戊土と辛金を共に地支に暗蔵する命で甲木と丁火が無い場合は秀な人であります。
即ち卯月の壬水は戊土と辛金を以って正軌としますので、甲木が戊土を傷めるのを嫌い、丁火が辛金を傷めるのを最もきらいます。
水の太過
壬水が多くある場合は水が氾濫する恐れがありますので、この場合は戊土で堤防を作る必要があります。
水源がない場合
庚、辛金の発水源がない命式は、比肩が無い限り身弱の命となり、愚かな輩となりやすい。
金寒水冷
庚、辛金が多すぎる場合は金は沈み水は寒冷となります、これを「金寒水冷」と言います。女性の場合は子供ができにくくなります。
この場合は、調候の丙火でもって庚金を制しさらに戊土で旺じ過ぎる水を制する必要があります。
壬水:辰月生まれ
季節
辰月は穀雨節でもあり雨が多く田畑は潤い、正気の戊土が旺じる季節であります。
壬水は流れて美としますので、戊土が旺じれば壬水は流れず滞っています。
命中に於いて土の官星が多くあると水の流れを阻害しますので貴命とはなりません。
従ってまず甲木で戊土を疏土(そど=耕す、制す、抑える)して、水の流れを助けて良くし、次に水源の庚金を用います。
壬水から辰を見れば蔵干に癸水があって多少は通根しますが本体は強い土ですから我が身は剋させて身弱となります。
庚金の無い人は壬水に水源が無く、その上に洩気が過ぎると身弱の命となり頼りない人物となります。
偏印(倒食)
庚金(偏印)と甲木(食神)が隣あわせで並ぶことは良くありません。
なぜならば壬から庚を見ると食神であり、壬から甲を見ると偏印(倒食)となり偏印は福の神の食神を倒してしまうからです。
年柱と時柱というように離れていれば問題はありません。
また天干と地支(蔵干)に別れていれば地支の作用は弱くなりますので問題はありません。
甲木と庚金が傷めずに相済して用をなすは科甲(かこう)の功名を得れる人として看ます。
水の太過
壬水が多くある場合は水が氾濫する恐れがありますので、この場合は戊土で堤防を作る必要があります。
即ち我が身が旺ずれば人の意見に耳を貸さず、自分の意見を無理にでも押し通すことになりますので戊土の官星で抑える事が必要となります。
水源がない場合
身弱で庚、辛金の水源がなく剋洩が太過すれば身弱の命となり、愚かな輩となりやすい。
金寒水冷(きんかんすいれい)
水が旺じて庚、辛金が多すぎる場合は身が旺じ過ぎて無用の人とみます。また、金は沈み水は寒冷となり、これを「金寒水冷」と言います。
この場合は、調候の丙火でもって庚金を制しさらに戊土で旺じ過ぎる水を制する必要があります。
辰月は木の余気がありますので丁火が透干して日干の壬水と有情すれば木気が旺じます。但し土の旺ずる季節ですから真の干合にはなりません。
夏月生まれ
壬水:巳月生まれ
季節と調候
夏月は火炎が旺じて水の十二運は絶地の季節となりますので、壬水は休囚し生気は微力となります。
壬水を生ずる処の庚辛金(印星)も巳月に於いては衰弱して気勢が弱いので(金水+比劫)の扶けを求めるのが良いのです。
夏月は壬水に水源が無ければ枯渇しますので水源として「金」の印星が必要となります。
夏月は庚辛金も火炎が旺ずるため金も溶けてしまう季節ですので、壬水、癸水を先に必要とします。
即ち、夏の壬水は印星と比劫(敗)を両用するのです。
水源
巳月の場合は丙火(太陽)が旺じる季節ですから、辛金と暗に干合させて丙火の暑さを防ぐこともできます。
つまり辛金は水源にもなり、丙火の暑さも合して取り除かれるので大変都合が良いのです。
食傷太過
命中に木気が多くある場合は、洩気が太過となり壬水は衰弱しますので、庚金が透干して木を制して日干を生扶れば貴を得る事が出来ます。
但し、比劫の助けも必要です。
丁火と戊土
命中に丁火を見れば壬水と干合(有情)して、木気が旺じ木は火を扶けます。また戊土を見れば癸水に干合して火勢が旺じて壬水を傷める事になりますので丁火と戊土を嫌います。
上格
すなわち巳月の壬水は、壬水と辛金の2つが天干に有るのを以って上格として看ます。
辛金と癸水を用いる場合は甲木の透干を必要とします。
壬水:午月生まれ
季節と調候
午月は丁火の火炎が旺じる季節で、夏の壬水は絶地に臨み渇水の憂いがありその生気は衰弱しています。
故に癸水を調候とし庚金(印星)の相生を求めます。
午月は壬水よりも癸水を用います。
なぜならば壬水は丁火と暗に合して木化する恐れがあるからです。
辛金は丁火を見れば溶ける象となりますので庚金を用います。
夏月は壬水に水源が無ければ枯渇しますので水源として「金」の印星が必要となります。水源があれば「源遠流長」となり水に勢いがあります。
水源と調候
午月生れの壬水は、火炎が旺じいてますので庚辛金の生扶と、更に壬癸水の調候が無いと発展が出来ません。
故に夏の壬水は金(印星)と水の比劫(敗)を両用するのです。
庚辛金があつても壬癸水が無い命造は常人であります。何故ならば夏の金は火炎に逢って気勢か弱いのです。
辛金は陰柔の金ですので丁火によって剋される恐れがありますので、水源には辛金よりも剛金である庚金を用います。
火炎が旺ずる季節ですから金気だけでは金が溶解してしまう恐れがあります。従って必ず先に水気を以って火炎を解く必要があります。
上格
すなわち午月の壬水は、「癸、庚」の2つが天干にあるのをもって上格として看ます。
合
庚金、辛金と壬水、癸水を併用する場合は、命造に不要な干支が干合、支合しないことが原則です。
壬水:未月生まれ
季節と調候
未月は夏の土用となりますが、日中はまだ猛暑なのでスタミナを付けるためにうなぎを食べる風習ある季節です。
大暑前迄は(7/23)、午月と同じ論理です、大暑後は未の正気である己土が旺じてきます。
未月の壬水は身弱でありますから水源の辛金(印綬)と甲木(食神)が透干して癸水が之を扶けるは富貴を求める事ができます。
壬水は己土で濁る
壬水は清き流れを以って美格とします。
未月は己土(正官)が月令に在って壬水に濁りを与えますので、甲木を以って己土を制する必要があります。但し己土が透干していなければ必ずしも必要とはしません。
未月は月令に己土が旺じていますので、己土が透干すれば日干の壬水を混濁しますので判断に誤りが出たり、考え方に濁りがあります。
土が透干して甲木を救いとする場合は、夏季ですから癸水が無ければ甲木は枯れるために其の役割を失ってしまいます。
地支に火土が在って金水が無ければ、ただ真面目で折り目正しいが他人に頼る清貧の人となります。
用神は金、水
夏月の壬水は「金、水」が用神となりますので、之を傷める戊土や丙丁火があれば人柄は良くても生活に困る命となります。
秋月生まれ
壬水:申月生まれ
季節と調候
申月は暑は残るも暦の上では初秋となり、月令「申」の蔵干には庚金と壬水が平行して旺じる季節です。
壬水は庚金の相生を得て気勢が満ちています。
身強の壬水
壬水が旺ずれば奔流となり氾濫の憂いがありますので、戊土で以って堤防を築きます、ただ申月は戊土が病地となって弱い候ですので、火を以って土を扶助しなければなりません。
従って、申月の壬水は戊土と丁火が天干にあって配合が良ければ必ず発展する命です。
身強であるも戊土の偏官(殺)が強い場合は、甲木の食神で制殺するは「食神制殺」となり人は優れ発展が出来ます。
偏官に制化が無ければ「殺」といいます。
甲木が地支に多く在って透干するは、用神(喜神)の戊土(偏官)を制しすぎますので発展が不可となります。
月令に庚金の偏印が旺じていますので、戊土(偏官)の気が金に流れてしまいますので、丁火(正財)で弱い戊土を扶け強い庚金を制する事です。
癸水を忌む
壬水の申月は癸水を嫌います。、癸水は丁火を損傷しますし、癸水が天干にあると戊土と干合して堤防としての作用を失いますから癸が天干にあるのを嫌います。
壬水:酉月生まれ
季節と調候
酉月は黄昏の候で壬水は沐浴となりその気勢は強くも無ければ弱くも無い、ただ月令に辛金が有って壬水を相生しますので「金白水清」となります。
酉月は壬水の「清澄」を取るのであります。
官星と食神
酉月は辛金の相生が有りますのでやや身強です、壬水が強ければ制するか洩するかとなりますが、戊己土で制すれば水の流れが滞り、さらに水が濁ってしますので土気での濁壬(だくじん)を嫌います。
故に土気を制するよりも甲木(食神)へ洩気するを専ら喜びとします。
酉月の壬水は甲木(食神)を専用するのが正法とします。
即ち、土-金-水-木と気が流れるは壬水が清いので喜びとするのです。
土が有って甲木(食神)を以って用神(喜神)とする場合は、天干に庚金の偏印が透干するを嫌います。
水の太過
比劫を並び見て地支に申や亥を見れば水が奔流となるので、甲木は浮木となり水を納める事が出来ません。この場合は戊土を以って用神と致します。
偏官
申月に於いては、壬水が旺じて氾濫する季節なので戊土の偏官を必要としましたが、酉月はただ壬水の清く澄んでいることを喜びとするのです。
壬水:戌月生まれ
季節と調候
戌月は秋が深まり壬水の水気が旺に向かう季節であるが同時に、水気を制する戊土も旺ずる季節でもあります。
壬水の戌月は命造にもよりますが、若し身強で壬水が旺に向かうは、必ず甲木(食神)と丁火(正財)を以って用神とします。
食神生財
身強で丁火の財星が透干して甲木の食神を見る場合は、丁火を以って用神とします。即ち「食神生財格」として素晴らしい格となります。
食神制殺
壬水が旺じて甲、丙、戊が並び透干するは、戊土の偏官を以って用神と致します。月令を用神として用いる事が出来る命は上格であります。
但し、戊土の官星が先で甲木が後にあるを条件とします。
我が身の壬水が健全で強ければ、月令の戊土を用い、また戊土があまり暴れないように甲木で抑えてやる「食神制殺」が中和を得る道です。
身強で丙火及び戊土を見なければ専ら甲木の食神を以って用とします。之が通常の格局であります。
身弱の命
身弱で印星を以って戊土の殺(官星)を化するは良好とは言えません。
庚金の倒食を見れば丁火で以って必ず制する事です、丁火の無い命造は発展が久しくありません。
庚金と己土
壬水の戌月で身強の命は甲木が用神でありますから、之を傷つける庚金と之に合する己土を最も嫌います。
冬月生まれ
壬水:亥月生まれ
季節と調候
亥月は雲は低く天地に寒気が漂う季節で、壬水は十二運が建禄に臨んで旺の極にいたります。
壬水は大河の流れる水で、亥月に於いてはその気勢はもっとも強くなり冲奔(ちゅうほん)の性質が有りますので、必ず戊土(官星)で以って水が氾濫しないように堤防を成す必要があります。
冬の戊土は「火土同根」で火に準ずるために十二運が絶となり気勢が弱いので、丙火の偏財を以って寒気を除く調候の役割と弱殺の戊土を扶ける事であります。
火土同根とは...火と土は根が同じです。
丙火があれば戊土も生じることができ補佐として重要です。
甲木(食神)
従って用神で有る戊土(偏官)を剋す甲木(食神)があってはいけません。
もし甲木があれば庚金で甲木を伐採する必要があります。
吉星の食神も命造によっては不要な場合もあります。
財、官
亥月の壬水は専ら丙火(偏財)と戊土(偏官)を専用し、丁火と己土は用いる事が無いのです。
即ち、己土の正官は制水できず反って壬水を濁らす事になり、丁火は壬水に干合して土を生ずる事が出来ないのです。
命式に丙火(財星)と戊土(官星)が天干にあれば、富貴と栄華を得ることができます。
丙火の財が有って戊土の官星が無い場合は、貴は得れないも衣食は得られます。
戊土の官星が有って丙火の財が無ければ、壬水は正軌に流れるも名利共に不足を生じます。
壬水:子月生まれ
季節と調候
冬の子月は厳寒の候で、壬水は月令が帝王になり亥月よりもさらに我が身の壬水が旺じる季節となります。
壬水は大河の流れる水で冲奔(ちゅうほん)の性質があり、子月に於いてはその勢いはもっとも旺じて強くなります。
寒気が厳しいので丙火(太陽)の調候も必要となります。
戊土と丙火
壬水である大河の水が氾濫しますので戊土で堤防を作る必要があります。
己土は湿田の土ですので、氾濫する水を制する事が出来ずただ濁らすだけです。
また寒気も厳しくなってくる季節ですので、調候として太陽の丙火も必要です、丙火があれば戊土も生じることができ補佐として重要です。
命式に丙火(財星)と戊土(官星)が天干にあれば、用神が揃うので富貴と栄華を得ることができます。
丙がない場合
丙火(太陽)が天干になく戊土だけがある命式は、寒冷の厳しい時であるがために戊土のみでは用を成すことができません。故に平常の命として論じます。
逆に丙火が天干にあって、戊土が地支にある命式は大運が戊土に入れば発展を見ることができます。
通関法
地支が火局を成す場合は、陽刃格(帝旺)が財星を見ますので、必ず甲木の食神を必要とします。
即ち、水火相戦となるために木の食神を以って通関神とし、水-木-火と周流させる事であります。
壬水:丑月生まれ
季節と調候
丑月は寒凍湿田の季節で、上半期の壬水は子月と同様に我が身の壬水が旺じていますので戊土と丙火を用とし、下半期は己土が旺じて気勢が衰えますので丙火(印星)を以って用となし甲木を補佐とします。
丙火が有れば解凍の喜びが有り、甲木を用いて土を制し火を生ずれば富貴が双全となります。
戊土の堤防
命中において壬水が天干にあって強ければ水勢が冲奔するために、必ず戊土の偏官で堤防を成すことを必要とします。この場合は甲木の制土を見れば命造の病となります。
調候
丑月は厳寒の季節であるから丙丁火を見なければ取用すべきものが無いのであります。
辛金が透干して丙火と干合するは、丙火はその働きを失うことになります。
辛金が透干している場合は丁火を代用します、ただ丁火は弱いので通根を要します。
運程
壬癸水が冬季に生れるは我が身が建旺となり丙戊を用いて、運行が南方に向かうを必要とし貴が得れるとします。
故に水木傷官は財官を見るのを喜びとします。
癸水 、春生まれ
癸水:寅月生まれ
季節と調候
寅月は陽気が漸増(ぜんぞう)するも、まだ初春で余寒が残存しています。
初春は草木が萌芽の時で木気が旺じています。
優しい癸水(雨露)は冬に旺じて春には退気となります。
即ち、水の気は「水-木」と流れて洩気して身弱となっています。
春の癸水は身弱ですので、先に辛金や庚金を用いて癸水の発水源とする必要があります。
次に寒気がまだ残存する季節ですから、丙火(太陽)の照暖(しょうだん)を求めます。
水火既済
故に水火既済(すいかきさい)となり陰陽和合の象を得て万物が発展発育するのであります。
水火既済とは易の言葉で物事が全て完成した「完成美」ことを言います
正財と偏印
丙火の財星と辛金の偏印が透干して、丙火が寅に通根(つうこん=天干と地支が一体となる)して辛金と干合しなければ丙火と辛金は各々の役割を得て富貴を求め得る命となります。
丙火と辛金を共に地支に蔵する命造は、丙火の財星を以って用神となし、運程において引き出す必要があります。
命中に火土が多くて庚辛金が無く、又壬水の扶けが無い場合は身弱の極となり孤貧を免れることは出来ない。そして癸水が乾くために残疾を見る事になります。
比劫争財
地支が水局を作り丙火の財が透干すれば、癸水の我が身が旺じ身強となるは財星を用神とします。
但し、天干に比劫を見ないことである、比劫があれば比劫争財(ひごうそうざい)となって兄弟で財産の争いがあったりして最後には財を散じます。
干合
辛金は丙火と合しますので並んで天干にあることを嫌います。
水源である辛金を損傷してはいけませんので、この場合は壬水を使って丙火を剋し、辛金を助け癸水を強くする必要があります。
即ち、干合は「むさぼるの意味」がありますので喜ぶものではありません。
癸水:卯月生まれ
季節と調候
卯月は草木が繁茂する季節で木気が旺じています。
癸水は月令の卯木を見て水-木と日干の気を洩らして退気して、その生気は休囚(きゅうしゅう)しています。
先に印星
卯月は身弱ですので、先に身強とする方法を用います。
癸水の卯月生れは洩気して身弱ですから、先に印星の庚辛金の水源を必要とします。
そして辛、庚金が透干して丁火で制剋されなければ富貴を得れる命であり庚辛金が無ければ身弱で下格となります。
春の金は弱い
庚辛金は卯月に於いては絶して勢いが無いので、庚金と辛金が共に天干に透干するを喜びとします。
病と薬
丁火の忌神が透干しても己土が透干して丁火の気を洩らすならば損傷は致しません。
癸水:辰月生まれ
季節と調候
辰月は春の晩春で万物を育てる雨が多い季節で蔵干に「乙、癸、戊」を含んでいます。
辰月は上半月と下半月に分けて看命することです。
上半月
上半月に於いては火気がそれ程盛んでなく、辰中の癸水が月令を得ていますので我が身は身強となります。
辰月の上半月は調候である丙火を用いて陰陽の和合とします。
下半月
土の官星が旺じて我が身は身弱となっていますので、丙火を用いると共に辛金を以って癸水を生扶することが必要です。
即ち、土-金-水と流し「殺印化格」とします。
癸水が身強であるならば、正気の土が旺じていますので、まず甲木でもって強い土を制す必要があります。
遁干月
辰月生れの癸水は干合して他の局(火)に従う命造が多いのです。
辰月は変化し易い月=「遁干(とんかん)する月であります」
全て天干が変わってくる時であるから干合して他の局に化し易い。
十干の中で癸水が戊土を見ると火に最も従化し易くなります。
仮の偏官格
地支が水局を作り身が旺じて甲木(傷官)を見ないで、己土(偏官)を見る場合は、己土の偏官が弱くても用神とします。そして丙火の財星で弱い偏官を相生する事です。
傷官生財
地支が木局(傷官)作り丙火(正財)が透干するは「傷官生財格」となり聡明な人であります。但し金の印星が無いことです。
辰月は身弱でありますから、我が身を扶ける比劫と金水があれば身強になります。
夏月生まれ
癸水:巳月生まれ
季節と調候
巳月は火炎が旺じて陽気が盛んとなる季節で、火、土が共に旺じ癸水は絶地になりますので水気は極弱となります。
巳月は極弱となり生気が無いので庚金、辛金の印星でもって水を滋潤して生ずるか、または壬水の劫財の扶けがなければ癸水は存在すること自体不可能になります。
丁火を嫌う
命式において辛金が天干にあって、丁火の財星が用神の辛金を傷めず、さらに壬水が天干にある造りは名声を得ることができます。
若し、丁火が有って辛金を剋し壬水の救神が無ければ富貴を得ずして貧人となります。
辛金を蔵して丁火が無ければ力量が不足すると言えども、丁火が辛金を傷めないだけでも喜びとします。故に衣食には困らない命となります。
巳月の癸水は印星(金)と劫財(壬)のいづれを欠いても不可能です。
即ち、水を以って火炎を解き金を護ります、そして金を以って水を生ずるのであります。
絶処逢生
巳月の庚金は長生と言えども極めて弱く、丑を見て会局すれば弱が転じて強くなります。従ってよく癸水を生ずることが出来ます。
即ち湿土が金を生ずるのであります、命造は絶処逢生(ぜつしょほうせい)となって富貴を得ることが出来ます。
絶処逢生とは絶であるも生に逢うことです
癸水が身強で有れば財官の旺ずる地へ向かうは発展します。
癸水:午月生まれ
季節と調候
午月は火炎と燥土が旺ずる季節で、火、土が旺じて癸水に根がなく、生気は極弱の状態になります。
水と金は弱い季節
身弱の癸水は庚金、辛金の印星で以って水を生じさせる必要があります。
ただ季節は夏月でありますから丁火が旺じて火剋金と庚辛金は傷められて弱いので之を護るために壬水、癸水の比劫が必要になります。
干合を嫌う
丙火が天干にあれば辛金と干合してその役割を失います。
また丁火が天干にあれば壬水と干合しますのでこれを嫌います。
比劫の水を地支に蔵しているだけで透干していなければ庚辛金があると言えども衣食が足りる命でしか有りません。
偏枯の命
地支が火局を作り壬水の透干が無ければ僧道の人である、命中に於いて火が旺ずる場合は、必ず壬水を以って之を救わなければならない、少しの水を蔵するだけでは焼け石に水の如くで偏枯の命となり身体に異常があります。
若し戊土が透干して癸水と干合して地支が火局を作れば、格は従格となり別論を作るのです、戊土が無ければたとえ火が旺じても従化論はつくりません。
身旺の場合
命式において庚金、辛金が天干にあって壬、癸水も天干にあると身旺になります。
我が身が強ければ財星(火)と官星(土)を用いることができます。
従って、大運が財星(火)と官星(土)に巡ってくれば大いに発展します
癸水:未月生まれ
季節
未月は残暑がまだ厳しく「火、土」が旺ずる季節で病は燥土にあります。
癸水は夏月に在っては根が無く、火炎と燥土に逢って生気を失して極弱の命となっています。
水と金は弱い季節
極弱の癸水は庚金、辛金の印星で以って水を生じさせる必要があります。
ただ季節は夏月でありますから、未の蔵干にある丁火が旺じて火剋金と庚辛金は傷められて弱いので、之を護るためにも壬水、癸水の比劫が必要になります。
上半月
上半月は火気が壮烈で有りますから、水源となる金が傷められて衰弱して癸水を生ずる力が弱いために必ず壬水、癸水の比劫を用いて生扶するを喜びとします。
下半月
下半月は庚金、辛金が進気となりますので壬水、癸水の比劫が無くても富貴を求めることができます。
ただし、丁火(偏財)が天干にあって金を損傷することがあってはいけません。
丁火の透干する命は必ず金水を並び見るを以って上格とします。
秋月生まれ
癸水:申月生まれ
季節と調候
申月は蔵干に金、水あり金が旺じて寒さが増し金寒水冷の季節となります。
月令の申月は金、水を蔵していますので金生水となって癸水を扶助するので癸水は身強となります。
申月は身強であるから調候でもある丁火(偏財)を用いることができます。
月令に旺じている庚金(印綬)を丁火の財を用いて損印するのが正用です。
丁火を使うためには燃料としての甲木(傷官)がなければなりません。
庚金が旺じて強ければ必ず丁火の財を以って抑える事である。
(1)甲木の傷官を得て丁火の財星を生ずる法であります。
但し「丁、甲、庚」とそれぞれが間隔を置いて直接に傷つけないことであります。
(2)甲木の傷官がなく、丁火の財星を以って損印する法です。
庚金が多くある場合、之を制する事を美とします。
但し、水の比劫で以って丁火を制すれば損印する事が不能となります。
金の印星が太過して丁火の力が乏しい場合は、旺気が身に及んで止ることになりますから、貧困にして跡継ぎが無いのです。
即ち、印星太過は財用神となります。
癸水:酉月生まれ
季節と調候
癸水の酉月は陽気が退き黄昏の季節となります。金は水を生じて金寒水冷となりますので丙火(太陽)の調候と辛金を併用します。
辛金と丙火がともに天干に並んでいると干合して其の働きを失しますので、合しない配置に隔ててある必要があります。
「金白水清」
辛金は庚金と異なって清く軽い金ですから、癸水をみると「金白水清」となり秀才の命となります。
金白水清が最も嫌うのは土で水の清さを濁すことです。
命中に於いて戊己土か太旺すれば金が埋まり水は濁ります。
壬水を見る
陰柔の癸水が壬水を天干に見て旺じていれば、癸水であっても壬水と見なして戊土の官星を用います。
癸水:戌月生まれ
季節と調候
戌月は秋が深まり太陽は西山に傾いての淋しさが漂う季節です。
癸水は月令を失して根が無く気勢が衰弱しています。
さらに戊土が旺じる季節ですので、優しい癸水は剋を受けて増々生気は弱くなってしまいます。
従って辛金は我を生ずる処の母星でも有りますので、辛金で以って身弱の癸水を生じることが何より重要です。
戊土と甲木
戊土(正官)が透干すれば甲木が必要ですが、燥土では甲木は育ちませんので癸水を以って滋潤が必要となります。
但し、並び見るは良くありません。
戌月の癸水は戊土が旺ずる季節でありますから、甲木を欠かすことは出来ないも辛金と癸水の何れか一つが無くても富貴は得れます。
病は「火、土」にあります。
従って、戌月の癸水は辛金を以って用神(喜神)とし甲木と癸水が補佐用神となります。
甲木と辛金
命中に於いて辛金と甲木が共に透干するは辛金を以って水源としますので上格とします。
甲木の透干が有れば強い土を抑えることが出来ますので救いとなります。
甲木と癸水があるも辛金の無い造りは富は有りますが貴は少ない。
甲木があるも癸水と辛金の無い命は平常の人です。
冬月生まれ
癸水:亥月生まれ
季節と調候
亥月は小陽の春とも言いますが日照時間が短くなり、月令に於いては壬水が旺じて寒気が漸増して新雪が舞う季節です。
亥月は癸水が帝旺となって旺ずるも、気候が寒冷となるから丙火の調候を専用とします。
水の太過
亥月は水が旺ずる季節であり、壬水が天干にあれば水が旺じて氾濫しますので、戊土(正官)が天干にあって旺じる水を制する必要があります。
即ち、月令に建禄、帝旺を見る場合は丙戊(財官)の透干を喜びとします。
若し、旺ずるものを制するか洩すものが無い場合は、我が身が強いだけで奔波の命となり苦労する人となります。
癸水が壬水を見れば、陰が転じて性情が陽となりますので壬水として看ます。即ち財官を以って用神とします。
己土では旺水を制水が出来ず、ただ壬水を濁らしてしまうのです。
木の太過
亥月は甲木の長生になりますので、地支に「未、卯」を見れば木局して、癸水のエネルギーが木気に洩れてしまい我が身の癸水が弱くなります。
この場合は水源である庚金、辛金で以って旺ずる木を制し水を生じる必要があります。
財太過
命中に於いて丙丁の火が多くある場合は、身弱財太過または富屋の貧人とも言います。
この場合は、我が身が旺ずる比劫の運へ入れば発展が出来ます。
旺運へ入らなければ女性や金銭に於いて我が身に災いが及びます。
癸水:子月生まれ
季節と調候
子月は天が寒く地は凍結の季節で、癸水は建禄を得て旺ずるも雨は雪になっています。庚金は十二運が死となり休囚の時で微力です。
従って何よりも気候の調和を急ぐ必要があるので丙火(太陽)を用いて寒気を除くことであります。
丙火があれば水も暖まり雪は雨露へと変化し、さらに金も暖まります。
即ち、子月生まれの癸水は丙火の正財を先に用神とします。
水の太過
子月は水が旺ずる季節であり、壬水が天干にあれば水が旺じて氾濫しますので、戊土(正官)が天干にあって旺じる水を制する必要があります。
即ち、月令に建禄、帝旺を見る場合は丙戊(財官)の透干を喜びとします。
壬癸水が強くても丙火の無い命造は寒凍に過ぎるので貧寒の人であります。若し大運が東南の地へ入れば「吉」を得ることが出来ます。
金寒水冷
金寒水冷=金は水を生じますが同時に寒も生じます。
癸水は建禄を得るも陰柔の水でありますから、地支に辛金があって癸水の水源と致します。
但し、丙火が無ければ金寒水冷(きんかんすいれい)となりますので喜びとはしません。
身弱殺旺
命中に戊己土が多ければ、官殺が重々して身弱殺旺となり人に頼りて貧寒の命となります。
土(官星)を用いるのは水の氾濫を防ぐためで、水か弱ければ土は不要です。
癸水:丑月生まれ
季節と調候
丑月は寒気が厳しく大寒の季節で土は凍結の象を成していますので、急ぎ丙火の太陽で以って寒気を除き気候の調和を必要とします。
壬水の用法
癸水が丑月に生れて丙、壬が天干に両透する命は、壬水が太陽の光を補佐します。(丙火の気勢を強くします)
そして地支に戊土を蔵することにより水の氾濫を防ぐことであります。
丙火と戊土
壬水と戊土が両透する命は、水が旺じるも制土が有って良く見えますが寒土と寒水であり陽和の気が乏しいので不発の命となります。
戊土の無い命造は丙火を専用として異途において発展します。
即ち、我が身が気を得て財に就くとは之を言います。
丙火が有るも壬水の無い命は、土が暖まり秀気が有ると言えども格局は小であり発展も小さい。
癸水を嫌う
地支に子丑を見て癸水が透干する命は、丙火の透干が有ると言えども寒気を除くことが出来ない。
丙火は太陽の光で壬水を忌まないも、癸水は雨ですから太陽の光を遮ります。
水木傷官
地支が木局を造る場合は、癸水の気を洩らして水木傷官となり人は聡明であります、但し丙火の財星を見る事です。
若し、洩気太過となれば金を以って救神と致します。
